朝顔と花火と飛行機と僕

@hasegawa_k

第1話

朝顔と花火と飛行機と僕


僕には忘れられない思い出がある。

それは四年前の夏、僕は小学四年生で

両親と祖父母のいる田舎に行った時

のこと。

夏休みだったが、僕の友達は

家族と旅行や出掛けているために

ほとんど遊べず、暇を持て余していた。

そうしたら、父が

「田舎のおじいちゃん、おばあちゃんに

会いに行くか?」

と言ったのだ。

それから、九州に住む祖父母に会いに

行くことになったのだが、

僕達は旅行で飛行機を使うことは

あまりなく、船が多い。

母曰く、その方がゆっくりできるし、

気持ちいいからだそうだ。

しかし、母は仕事の都合で一緒に

行けず、父と二人旅になった。

父が

「船は長いから疲れる。

気持ちいいんだけどね〜‥」

と言うので、今回は飛行機になった。

僕は上記の通り、だいたいが船だった

ので、飛行機は初体験となった。

僕は前日からワクワク、ドキドキして

すぐには寝付けなかった。

そして当日、空港に着き

初めての空港に気分が高まっていた。

そのため、あっちこっちを

みてまわっていたら、父とはぐれて

しまった。

大きな空港のため、近くを探したが

父は見つからずに不安から泣きそうに

なっていると黒いスーツのようなものを

着て、黒い帽子を被った男の人に

話しかけられた

「どうしたの?僕、迷子?お父さんやお母さんは?」

とすごく優しく笑顔で聞かれ

「父さんがいなくなったの」

と僕は涙目になりながら答えた。

「それは大変だ、お父さんを見つけないと。私も探しますから安心してね。男の子でしょ?泣いてはダメですよ。強くならないと」

と言われ、僕は咄嗟に 「泣いてない」と答えた。

すると「それは良い子だ」と頭を撫でられた。

迷子になり不安だった心が安心へと変わった。

そして、迷子放送をかけてもらい父が迎えに来た。

「本当にお世話になりました。ありがとうございました」

と黒いスーツのようなものを着た男の人に頭を下げた。

「いえいえ、当たり前のことをしたまでです」

と男の人は答え、僕と目線を合わせ

「良かったな、お父さんと会えて。またね、僕」

と言われた。

何故、またねと言われたのかわからなかった。

しかしそれは機内に乗り込み、機長の挨拶を聞いて分かった。

声が一緒だったのだ、黒いスーツのようなものを着た人と声が。

僕はこの大きな重そうな物が空を飛ぶなんてすごいと思った。

そして、父に教えてもらった。

さっきの人がこの飛行機を飛ばしている

パイロットと呼ばれる人なんだと。

その時、僕は自分もこれを動かしてみたいと思った。

それから僕の夢はパイロットになり

現在もパイロットになるために猛勉強中だ。


飛行機雲が流れている。

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