27 テーマ:友情もの

テーマ:友情もの

- 主人公の過去:変化, 正位置

- 主人公の現在:慈愛, 逆位置

- 援助者:結合, 正位置

- 主人公の近い未来:治癒, 正位置

- 敵対者:至誠, 逆位置

- 結末:秩序, 逆位置

 


 主人公は不慮の事故で、すべての身内を失ってしまった。

 自暴自棄となった主人公は、長い入院期間を終え、まったく身の入らないリハビリを時間つぶしで受けていた。


 そんなある日、主人公に治験の案内が来る。

 どうやら事故の後遺症を直すために、チップを頭の中に埋め込んで、アシスタントするAIを直接脳内で飼う、という奇天烈なものだった。

 自暴自棄となっていた主人公は、どうでもよく、科学の役に立てるならと治験に了承する。


 AIチップが作動し、頭の中でAIアシスタントの声が響く。

 若く安心感のある男性の声でリハビリの指示や、日々の生活にまでアドバイスを出してくれることで、主人公は人並みの生活を簡単に手に入れることができるようになった。

 さらに、雑談にも受け応えてくれるAIとは、もはや主人公は友達のように感じていた。

 身内に近い存在からの会話で元気づけられた主人公はこの世界でもう一度生きようと気力を取り戻す。


 しかし、ある組織が主人公を狙い始めていた。

 頭の中に埋め込まれたチップは人間の情報をたくさん学習しているため、宝の山であり、アウトローの世界では主人公の首に懸賞金が欠けられていた。

 暴力団の下っ端から殺し屋まで、主人公を狙い続けるが、AIアシスタントに従うことで、功夫の達人と軍師の知略の2つを手に入れることができ、すべてを打ち払うことに成功する。


 さらに主人公はAIから元を絶つべきであるというアドバイスを受け、主人公を狙う組織を牛耳ることで、狙われる要素を無くそうとする。

 かくしてAIアシスタントによって、ばったばったとなぎ倒される暴力団の幹部たち。


 さて、主人公がトップに立とうとしたとき、主人公にチップを埋めたバイオ企業がAIチップを回収しようとやってくる。

 実は、主人公が暴力団と関係を持つように、AIが誘導しており、それは、最終的には軍人アシスタントというモデルを学習するためであった。


 チップを抜かれてしまった主人公は、そこらの中年と同じレベルにまで落ちてしまう。しかし、それでもこれからは、特にchatGPではなく、それまでの様々な情報によってあと一歩で崩壊しそうな暴力団を取りまとめることに成功する。また並行して、暴力団の組織のトップとして、AIチップの埋め込みを行う企業の足取りも追っていた。


 いつの間にか、こころのよりどころとなっていたAIアシスタントだけを求め、主人公は完全に悪に染まってしまった。


 ただの中年のおじさんが裏の世界のトップになり、取引を行っては、AIアシスタントの足取りを追う。


 主人公は果たして、アシスタントを救うことができるのだろうか。

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