小説プロット集

26 テーマ：恋愛もの

テーマ：恋愛もの

- 主人公の過去:厳格, 逆位置

- 主人公の現在:生命, 逆位置

- 援助者:秩序, 正位置

- 主人公の近い未来:意思, 正位置

- 敵対者:解放, 逆位置

- 結末:庇護, 逆位置

　主人公は勉強が全くできなかった。

　それだけならば、どこにでもいる女子高校生だったが、彼女は運悪く、頭の良い両親の元に生まれてしまう。

　頭の良い両親は主人公の行動理由を全く理解することができず、小学校高学年の段階で、すでに主人公を見下すようになった。

　主人公の両親は、主人公を家族の一員として認められず、金のかからない家政婦として、奴隷のように家の労働をさせていた。

　そして、主人公はそれを当然として受け入れ、日々を過ごしている。

　変わったのは、高校2年生に上がったころだった。

　頭の悪い主人公はテストの点数が悪く、必ずと言っていいほど補修を受けていた。

　その補修の先生が若い男の先生に変わったのだ。

　今どきの先生は、教育熱心で、主人公に粘り強く指導した。

　それだけでなく、学生の相談を親身になって受けるような先生だった。

　当然、奴隷のように働かされている主人公は、先生から一心に情熱を浴びた。

　その先生の指導によってはじめて、主人公は「現状がおかしい」と認識するようになり、「この世界から抜け出したい」と医師のようなものが芽生え始めた。

　意思が芽生えてから、主人公が先生に恋心を抱くまでに、そう時間はかからなかった。

　かわいそうな主人公を突き放す力のない先生は、なし崩し的に、主人公と隠れて付き合うことにした。

　主人公の両親にバレるまで、彼らは幸せな日々を送っていた。

　当然、主人公の両親は先生との付き合いなど認めなかった。

　しかし彼らは、主人公に意思が芽生えたことを知らなかった。

　これまで唯々諾々と従ってきた主人公からの反抗に、思わず激昂する両親。

　壮絶な喧嘩の末、主人公と両親の関係が完全に切れてしまう。

　主人公は先生と駆け落ちを求めるが、先生は拒否する。

　翌日から、主人公の姿は教室に無かった。

　彼女の行く先を知る人も、知りたいと思う人も誰もいなかった。

　彼女は世界から抜け出すことに成功したのだった。