増殖し続ける俺
二人で作業を分担し(コピーの方が負担が大きい)、俺は貯まった素材を売っていた、もちろん買い物とかが終わればコピーの戦闘を手伝いにいく。
そう思って、ダンジョンで活動しているコピーに会いに行くとき、レベルが上がった。レベルだけじゃない。スキルのレベルも上がった。まだ55レベルだというのに。普通スキルのレベルは10レベル刻みで上がっていく、つまり常人(スキル持ちはそもそも超人だが)の2倍の早さなのだ。
ただここで仮説を建てる。「レベルが10上がるとスキルレベルが1上がる」と考えるのではなく。「スキルレベルを1あげるには、レベルを10上げなきゃいけない」と考えるのだ。
同じことを言っているようだが、「レベルを10上げなきゃいけない」という「ノルマ」を二人で負担していると考えると、5レベルでスキルレベルが上がることに説明がつく。それにその仮説を裏付ける実験ができそうだ。どういうことかというと…
「よろしくな新しい俺」
つまりコピーBの誕生である。要するに先ほどの仮説を裏付けるためには、次レベルが3か4上がるときにスキルレベルが上がれば実証可能ではある。ただ50レベル代になると遥かに効率が落ちるのである。一般的には。
ギルドに再び説明に向かうと今後俺が増える度に特別に俺のギルドカードとパーティーメンバーを追加する係を作った(おそらく兼任だが)。
まあなんというVIPサービス。俺たちのためだけに新たな制度まで作って、俺たち専用の窓口が生まれたのだ。これで俺が増えたら簡単に俺の登録ができる。
こうして俺(本)と俺Aと俺Bの本気のシフト制ギルド攻略にているうちに58レベルに到達。それと同時にスキルレベルも上がった。つまり仮説が証明されたと言ってもいい(小数点切り捨てなんだ…)。つまり次にレベルが上がるのは60あるいは61になる。四捨五入を考えると61になりそうだが、完全に切り捨てなら60だ。どのみち楽しみである。
普通レベルが上がるとレベルが上がりにくくなるのだが、俺の場合は逆をいっている。
人が増えれば増えるほど効率は上がる。最初はあまり増えると脳のリソースが足りなくなりそうだと思ったが、能も増えてるしレベルも上がってるし、本当に自分の体の一部のように動かせるし、脳の回転はいつもよりいいくらいだ。
ただ脳の回転が上がったからといって、全員俺レベルの脳である。こいつらから特に知識を得られるどころか、コピーで自主性がないからか俺より頭が悪い。ただ、
そうしてレベル61のとき俺、A、B、C、Dになったとき初めてダンジョン攻略以外に手をだす。
「D。お前はパーティーの代表として学校にいってくれないか?」
ここで実験だ。レベルが共有されることが分かった今、ステータスに反映されない能力の共有を試みる。パーティーも4人で割と手狭なのもある。
もしDが勉強して、学力の上昇が俺らにも共有されたら。ダンジョンを攻略しながら学問を卒業まで修めることだって出来る。
トンデモ攻略法で金は山ほどある(ギルドに素材大量に入れてるからのVIP対応だろうな)ので、それを持たせて学校にいかせる。さてDが卒業するまで4年。はたして俺達はどこまでいけるのだろうか。
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