木刀で戦う男がいた。男はうずくまる老夫婦を狙うアンドロイドに向かって走った。

「とお!」

男の木刀がアンドロイドの足を折った。アンドロイドは傾き、倒れた。そこへ男が止めの一撃を食らわせた。アンドロイドは機能を停止した。

「大丈夫でしたか?」

「はい。」

「あっちの方はアンドロイドがいないので安全です。」

「ありがとう。あなたのお名前を教えてくれますか?」

「私は、シンメンタケゾウ。では」

「シンメンさん。頼もしい人」

その後も男は人助けを続けた。その時に男はある事に気づいた。

「アンドロイドたち、同じ方へ向かっている」

男はアンドロイドの後を追った。丘の上に大量のアンドロイドが群がっていた。アンドロイドの群れは上を狙っていた。男は上を見ると、巨大な靄があった。

「あれは何だ?」

その時、小さな光が抜け出て、男に言った。

「あれは死んでいった人間の魂の集合体だ。」

「魂の集合体か・・・ってお前は誰だ!?」

「私はアグル。霊界ウルトラの星の戦士だ。」

「全く分からない。ところでどうやって、いつ、どこで入った?」

「私たち、ウルトラの戦士にとって人間の体と一体化することは容易だ。だが、あまり一体化を好む戦士はいない。私を除いて。君が老夫婦の前の人間、確か親子を助けた時、その場所で入った。」

「それにしても戦士には見えない。」

「では、お見せしよう」

小さな光は人の姿になった。

「おお、すごい。それで、あれは本当に魂の集合体なのか?」

「本当だ。残留物質というべきか。思いが強ければ強いほど目に見える。」

「そういうことか。だから、アンドロイドは人間と間違えて狙っている。」

「おそらくそうだろう。ところで、一つ聞く。君は私の星へ来る気はあるか?」

「つまり地球を離れるということになる。少し考えさせてくれ。」

1分後、男は答えた。

「わかった。そこで、一つ頼みがある。生き残った人間全員で行くことはできるか?」

「それは難しい。何故なら、私のような戦士では一人しか連れていくことができない。六使徒であれば、可能だろうが」

「六使徒?」

「彼らは任務で忙しい。」

その時、アンドロイドの群れの一機が男を狙い、銃を撃った。

「うっ・・・」

「しまった。待て。すぐに星へ向かう。」

光が手を伸ばすと、空間の歪みが発生した。光が男の体に入ったとき、アンドロイドの数機が銃を撃った。避けきれず、何発か体に受けた。

「ぐ・・・何としても連れて行く。それまで生きろ。」

しかし、アンドロイドの群れが全機狙った。

「もう少しなのに・・・間に合わない」

その時、アンドロイドの群れが銃に撃たれ、次々と倒れて行った。撃った方を見ると、そこには老夫婦とその他大勢の人々がいた。

「これは一体・・・?」

老夫婦から二つの小さな光が抜け出た。

「アグル。無事か?」

「1人で格好つけやがって」

「その声は、グッドとラック・・・」

「他にも六使徒が全員いる。」

「六使徒が全員・・・」

「それより早くしねえと死んじまうぞ」

光たちの力で空間の歪みが大きくなり、生き残った人々がそこへ入っていった。男はそれをかすかな意識で見ていた。

「あの老夫婦が飛んでる・・・死んだのか・・・老夫婦も私も」

しばらくして、男は意識を取り戻した。

「目を覚ましましたか。私はアナスタシア。ここ、シンボルタワーで怪我を治療する代表を務めています。」

「では、私は生きているのですか?」

「はい。あなたの他にもシン・ガイア、いえ地球からこの霊界ウルトラへ来た方々は全員無事ですよ。」

男は起き上がり、窓の外を眺めた。そこには、美しい街並みが広がっていた。

「ここがウルトラの星か。何て綺麗な星だろう。」

アナスタシアが言った。

「地球も綺麗な星ではありませんでしたか?」

「綺麗な星でした。とても」

扉が開く音がして、アグルが入ってきた。

「失礼します。アナスタシア様。突然の治療をして頂きありがとうございました。」

「いえいえ。ゼウスとミズーリオはあなたたちをほめていましたよ。」

「王が褒めて下さったとは一体どういうことでしょうか?」

「ゼウスは言っていました。何度繰り返しても地球は滅亡を迎えてしまう。それは、些細なことをきっかけに始まり、大きくなった。その原因はドリーム社の2人だけではなく、人間なら誰もがそうだった。それを止めることは我々にもできなかった。生き残った人間を一人でも救うことが大切だった。アグル、ラウス、セブン、彼らに力を貸そう。地球を愛する戦士たちのおかげで地球を救うことができる、と。」

「それで、六使徒が来て下さったのですね。」

「でも、どうしてそんなに地球を愛するのですか?」

「それは私が見てきた中で地球が一番綺麗な星だからです。」

そこに老夫婦が入って来て、男にお礼を伝えた。その様子を見て、アナスタシアは納得した。その後、六使徒は九使徒になった。


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未来編 ソードメニー @sordmany

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