宇宙ロケットは噴煙を出して地上から空へ飛んだ。地球から離れて、無重力空間に入り、宇宙ロケットは静止した。ロケットに乗る男と女は安全装置を外した。体が浮いて、二人は驚いたが、しばらくして慣れた。すると、二人は空腹であることに気づいた。ロケットには多くの備品があり、その中には食糧もあった。二人は食糧を見つけ、初めて話した。

「・・・どれにしますか?」

「・・・私は、鮭のおにぎりで」

「はい。どうぞ。」

「ありがとうございます。あなたは?」

「僕は、この鶏肉のささ身にします。」

二人は食糧を手にし、座席がある部屋に移動した。体を固定するベルトが座席についていた。

「これ、つけにくいです。」

「僕が締めるので、これをちょっと持っていてください。」

男は袋に入った鶏肉のささ身を女に渡した。この時、二人の手が触れた。

「あ」

「す、すみません。もうちょっとなんだけど・・・締まりました!」

「ありがとうございます。」

「あれ?自分のは締めにくいなあ」

「私が手伝います。」

女が鶏肉のささ身と鮭のおにぎりを男に渡した。この時、再び二人の手が触れた。

「あ」

「す、すみません・・・締まりました。」

「ありがとうございます。それじゃあ、これ」

男は女に鮭のおにぎりを渡した。

「魚がお好きなんですか?」

「はい!本当はマグロが好きなんですけど」

「マグロ、いいですね。」

「鶏肉がお好きなんですか?」

「はい!硬めの肉が好きなんです。オオワシみたいな筋肉質の肉が」

「いいですね・・・」

男と女はそれぞれの食糧を食べ始めて、沈黙が流れた。その間、二人は同じことを考えていた。男が女を見て言った。

「これからどうしましょうか?」

「どうしましょう・・・とりあえず、地球には戻れそうにないですね。」

「残念ですが、そうですね。そうなると、このままロケットで生活することになります。」

「それはつまり、ここに住むということですか?あなたと私で?」

「はい。」

二人は見つめ合い、顔を赤くした。

「どうしたんでしょう?」

「僕もどうして・・・」

ロケットには二人しかいなかった。二人は手を取り合った。ある理由によって、二人の距離は一気に縮まった。男は女に言った。

「僕は、実は彼女がいました。でも、逃げている途中、犠牲になって僕を助けてくれました。」

「そうだったんですね。」

「その彼女に、あなたはそっくりです。」

「え!本当ですか。そんなことがあるなんて・・・」

「どうしましたか?」

「実は私も彼がいて、逃げている途中、犠牲になりました。その彼とあなたは瓜二つなんです。」

「それじゃあ、僕たちは運命の出会いですね。」

二人は抱き合った。それはしばらく続いた。男は決意して言った。

「僕は君と生きたい。」

「私も。」

「でも、ロケットでは長く住めない。」

「じゃあ、どうするの?」

「宇宙のどこかに地球と同じような星がきっとある。そこに向かおう。」

ロケットは再び動き出した。それから一年後。二人はある反応を発見した。

「ちょっと来て!反応があるわ。」

「これはひょっとしたらひょっとするぞ!」

ロケットは反応があった場所へ向かった。そこで二人は驚きのものを目にした。それは巨大な獣だった。

「何だ、あれ・・・」

その時、獣はロケットに向かって火を噴きだした。

「うわー!!」

そのとき、二人の体から小さな光が抜け出て、空間が歪んだ。二人が気絶していたが、眩い光に目を覚ました。小さな光が二人に言った。

「これは一体・・・?」

「夢でも見ているの・・・?」

「夢じゃない。現実だ。」

「あなたたちは?」

「私たちは宇宙の平和を守るウルトラの戦士。ずっと君たちといた。」

「いつから?」

「君たちが一緒にいた者と別れる時からだ。シェルターと呼ばれる施設へ着くまで力を貸した。」

「どうして私たちを助けたの?」

「私たちは1人でも人間を救いたかった。」

「ここは?」

「私たちの星、ウルトラの星だ。」

「ウルトラの星・・・」

こうして、人類はついに光の戦士の星に辿り着いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る