未来編
ソードメニー
一
ドリーム社がついに新製品『ドリームマシン』を発表した。発表の会場には開発者であるタランティーノ氏が舞台に立った。
「ドリームマシンは文字通り夢の機械です。このマシンに乗り込めば、現実を離れて夢の世界に往くことができます。夢の世界では争いが全くなく、雲のようなふわふわとした場所で快適に過ごすことができます。放置ゲームのようにそこにいるだけでお金が手に入り、それを使ってお買い物を自由に楽しむことも可能です。アトラクションなども豊富でマシンの中で実際に起きているように体験できます。皆さんのすぐそこに夢の世界はあります。」
世界中で配信され注目を集めたが、ドリームマシンは高価で手を出せる代物ではなかった。その理由は開発費が膨大だったからだった。ある富豪が興味を示し購入した。
「すごい!これこそが夢の世界だ!」
この感想が世界中に拡散され富豪が次々と購入した。このことにより、ドリーム社はドリームマシンを大幅値下げし、瞬く間にドリームマシンは生産が追い付かなくなった。あまりの売れ行きに国々も注目し、ドリームマシンの改良に協力することを決めた。そして、ドリームマシンを使用中に人間の代わりに活動するアンドロイドが開発された。数年後、アンドロイドの活躍によって、人類は楽に生きることが可能になった。
ドリーム社の一人の社員はドリームマシンのプログラムがある関係者以外立ち入り禁止の部屋にいた。
「・・・あいつのせいだ。これは俺のせいじゃない。」
その社員はプログラムを書き換え、エンターを押した。すぐにエラーが表示されたが、その社員は座ったまま何もしなかった。そこにタランティーノが駆けこんだ。
「ピスコ!!何をした!そこをどけ!」
「いや、どかない。なぜ、ドリームマシンに最も貢献した俺が何の報酬も得られず、お前だけが良い思いをしているのか、俺は分からない。」
「それは・・・君には感謝している。だが、仕方ないことだ。」
「仕方ないだって?便利な言葉だ。何でも一言で片づけられる。だが、お前は少しでも不利益を被る側の事を考えたか?」
「ああ。考えたさ。」
「それも真実か分からない。真実だというなら、今のドリームマシンの権利をすべて俺に譲れ」
「それはできない。」
「嘘じゃないか!」
ピスコとタランティーノはもみ合いになり、キーボードに手が当たって、プログラムが書き換わった。その時、ある家でドリームマシンから出た人間がアンドロイドを見て言った。
「家事、ご苦労様。充電して休んでくれ。」
アンドロイドはその人間を敵と認識して、人間を守るための銃で人間を撃った。同じことが世界中で起き、瞬く間に世界は滅亡に向かい始めた。
国の軍は、戦闘機でアンドロイドを攻撃した。しかし、最新のAIが搭載されたアンドロイドには歯が立たなかった。世界の臨時政府がシェルターへの避難を発表した。商業施設にた一組の男女が渡り廊下に逃げてきた。その時、アンドロイドが現れ、銃を撃った。二人に当たらなかったが、建物に当たり壁が崩れた。
「きゃあ!」
女が壁に挟まれた。
「そんな・・・」
「私を置いていって」
「できない。」
「早く・・・お願いだから、生きて」
同じ時、別の場所でも一組の男女のうち男が壁に挟まれた。
「君だけでも生きてくれ。頼む・・・」
こうして、生き残った男と女はなんとか同じシェルターに辿り着いた。シェルターの中では非常事態の時の為の宇宙ロケットを使って宇宙に逃げることを伝える放送が流れていた。
「宇宙ロケットの定員は10名です。」
その事実にシェルター内は騒然とした。どのように10名を決めるのか、そのことが騒がれていた。早い者勝ちという者と話し合いを求める者がもみ合いになっていた時、シェルターにアンドロイドが入ってきた。アンドロイドから我先に逃げようとしてもみ合う者たちをアンドロイドは撃った。次々と倒れていく中で、アンドロイドも攻撃を受けて故障した。その時、奇跡的に生き残った男と女は宇宙ロケットに乗り込んだ。他のアンドロイドが迫る中で、2人を乗せたロケットは発射した。
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