第3話 君はプロ読者を知っているか?

 いつからだろう、作者と読者の距離が縮まり、作品の行く末を読者に媚びるようになったのは……。


 ネットが普及して、それまでは出版と読者だったものが、ネットで読める様になり、しかも感想もアナログな手紙ではなく、直接手軽に書き込めるようになって……。


 良し悪しです。

 読者の声が直接伝わるのもいい、やる気につながります。


 でもね、自分……ある事実に気付いて「恐……っ!」って驚愕しました。あまりにもダイレクトに声が届き過ぎて、物語の展開が読者に媚び媚びになっている作品を見てしまったのです。


 自分の場合は小説よりも漫画を読む機会が多く、暇さえあればジャンプラ、マガポケ、ピッコマ……あとマンガワン。よく読んでます。


 特にマンガワン(旧裏サンデー)

 このサイトは開設当初から読んでいました。ネット媒体で、読者との距離が本当に近い……単行本を買ってもらえないと存続危ういって広告を打つような、そんなサイト———と、言うと語弊があるけど、とにかく先鋭的なサイトでした。


 私はこのサイトの読者の感想も含め、毎週毎週更新を楽しみにしていました。


 けど、だんだん何かね、あれって思い出したんですよ。


 読者の人が先読みし過ぎて、物語の展開を予測し過ぎて伏線を暴く、そして口出しをしてくる。嫌な展開を書き込んで、このままだともう読むのを止めると脅す。粗を探して揚げ足を取る———……


「恐っ、恐すぎるだろう! 一周回ってホラーだよ!」


 分かるよ、愛ゆえでしょ? 私も同じだから分かる! あまりにも納得できない時には、思わず書き込んでしまう。それと同じだよね?


 そう、そう言った作品愛が強過ぎる読者のことをプロ読者って言うんです。


 ———え、言わない? あれぇー、どこかでか見たんだけどなー、そういう書き込み。


 いや、前からいたとは思うよ?

 おそらく2ch辺りにで考察していたことが、感想欄が出てきたことで直接作者に伝わることになったんですよね……。

 恐ろしや、恐ろしや……。


 よく有名になってもエゴサはしない方がいいって言うじゃないですか?

 けどさー、作品の感想欄に書かれたら、見ないわけにはいかないし、見てしまったら読者に媚びるのが作者だよ!


 そんな鋼の精神持ち合わせていたら、苦労しないっつーの!


 ———とはいえ、自分も一時期はプロ読者をしていたから分かる。両方の気持ちが分かるんだよォ!


 カクヨムはさ、編集とかいるわけなくて、素人が書き込んでいるから、そりゃー矛盾することもあるし、誤字脱字だってある。だって人間だもの。


 ちゃんと編集がついてるような、そういった公式のアプリでさえオカシイ展開のまま掲載したり、間違ったまま載せることがある。


 ぶっちゃけアレは編集が悪いと思っている。作者は作品を面白くする為に全力出しているんだから、それを整えるのが編集の役割———だと、私は考えています。


 まぁさー、だから間違って当たり前とは言わない。ちゃんと推敲して、誤字脱字がないように確認してから上げる作者もいるので、甘えと言ったら甘えだ。

 けれど、更新がモノを言うネット小説。毎日更新じゃないと埋もれるし、早よせなって焦るんだよねー……分かるよ、分かる。その気持ち、痛いほどわかる。


 こんな何時間も打ち続けて、叩かれて、しかも読まれないなんてさ……「これ、何の苦行?」って全力で落ち込みます。


 きっとさ、そういう考察とか展開に物申すのって、その作品が好きゆえだし、ちゃんと読んでるから言えることなんだけど……基本的に執筆者ってガラスのハートなんですよ。


 私なんて、チキンすぎて「コメントが届いています」ってあると「ヒィ……っ! また間違えた⁉︎」って、一回恐縮するもん。

 良いことよりも悪いことだと思ってしまう自分が悲しい。それでもね、間違いを教えてくれるのは、本当にありがたい存在です。

 だって、前にも書いたようにカクヨムは編集なく、そのままダイレクトに上げるから、指摘してくれる人がいるって良いことなんですよ。

 でないと間違ったまま掲載してることになるからね。


 本当、飽和状態のせいか、作品に編集が追いつかないって悲しいよね。

 ある意味、前に比べて質の低い作品が出回ってるってことじゃないですか……言葉は悪いけど。


 やっぱ推敲を重ねて、ちゃんと校閲の入った作品は素晴らしい、完成度が違うからね。せめてお金が掛かっているものくらいは……執筆者への労いも込めて、しっかり仕上げて、プロ読者へ届けてほしいですね。

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