28.【春にさよなら】水涸 木犀さん

https://kakuyomu.jp/works/16817330655874022238


あらすじ等(作品ページより引用)

アイドル養成所で共に切磋琢磨してきたハルとナツ。彼らを含めた四人組ユニット「four🍀seasons」でのデビューを目指していた。四人のなかでもひときわ存在感があるのはハルだったが、彼はいつも「ひとりぼっち」になることを恐れていた。

そんなある日、ハルとナツの関係性を引き裂く事件が起きる。


―――


ゆあんさんの自主企画「筆致は物語を超えるか 春にさよなら」に寄せて書き下ろした短編です。

全三話、4月16日 12:00完結


9月23日

ハルのファンアートを頂きました!

https://kakuyomu.jp/users/yuno_05/news/16817330664164675947



☆☆☆



第28弾です。

水涸 木犀さん、ご参加ありがとうございます。

がっつりネタバレ含みますのでご注意下さい。






自主企画↓のお題に基づいて書かれた作品ということです。


https://kakuyomu.jp/works/16817330655318597592

自主企画用「筆致は物語を超えるか」【春にさよなら】


詳細はご確認下さい!(不親切 笑)


前情報多いんですが、コメントの引用です。

"カクヨム内のユーザー発案企画参加のために書き、そこそこの評価をいただけた作品ですが

別媒体での読みあい&コメント企画(気に入った作品にだけコメントをする企画)では企画参加者で唯一のコメント0の憂き目に遭いましたので

いちカクヨムユーザーの方からどのような感想を頂けるのか興味を抱いております。"

とのことです。


つまり、自主企画という共通項から外れて読んだら、どうですか?っていうことでしょうかね。

自分の感性が一般的なカクヨムユーザーとどれくらい一致してるのか自信がない部分もあるんですが 笑


さて、ちょっと今回は言い方がきついかもしれませんが結論から書きます。

勇気が要りますね!



細かい所はいいとしまして、オチてないんです。

ここです。


綺麗にまとまったっぽいエンディングにはなってるんですが、まとまってはないんです。そういうつもりの作品ならそれでいいんですが。


今から中身を全部書きますんで、未読の方は引き返すならここです。






ハル君は寂しがりで一人だとダメなんです。

で、ここに依存対象としてのナツ君がいます。

ナツ君の主観で話が進みます。


なんだけども、ハル君の才能が飛び抜けてたせいで、ハル君だけ抜擢される形になり、残りメンバーのアキ君とフユ君の逆恨み?とかありまして、チームは解散。

ハル君とナツ君は引き離されました。


ハル君とやれないならもういいやって、ナツ君は違う道を選び、父のすすめもあって海外留学を決めます。


ただ留学する前にハル君に会いたいと思い、最後にハル君との思い出の場所に寄ります。

すると、そこにはハル君がいつも来ていた印が残されていて、ナツ君もそこに印を残しました。


という話です。


綺麗にまとまってるようなんですが、このエンディングってハル君の「ひとりぼっちになるのを恐れてた」っていう部分が特に生きてないです。

生きてないというか解決してません。


ハル君とナツ君が離れてからのことを推測するにハル君はアイドル歌手として大成したっぽいんです。

たぶん、これ一人で成功してますよね。


他に誰か支える人(孤独を解消する相手)が現れていて、その人と二人三脚で成功していたとしたら、公園になぜ、印を付けに来てたんだ?って話になります。


もしハル君が、孤独に耐えながらそれでも必死に綱渡りを続けてて、その心の拠り所としていつか帰ってきてくれるはず!ってナツ君に分かるように印をつけていたとしたら、最後、何を勝手に爽やかに納得してんだよ?ってなります。


そして、納得するにしても何をもってナツ君が印をつけたことがハル君が大丈夫と思う根拠になるんだ?ということです。


逆なら分かるんです。

ハル君がずーっと印付けてて、最後にナツ君が印付けてくれてた、であれば。

つまり、ナツ君からハル君へはずーっと何も発信してないってところが引っ掛かるんでしょうね。


もう少し構造的に説明します。


この作品は、ハル君の『才能に溢れているけど、孤独を怖がっていて、独りぼっちを嫌がっているっていう問題がどう片付くのか?』という話だと思うんです。


あくまでメインはハル君です。

ナツ君はストーリーテラーです。

それで、主役の問題のはずなのに、ストーリーテラーが納得して満足してるんです。


例えばが続くんですが、クイズ番組があります。

答える人と進行する人。


進行する人は、「答えは何番でしょう?」って答える人に聞くのが仕事です。

これが、答える人がまだ何も言ってないのに、「そうです4番です!正解です!!」って話進めたら台無しです。


違う違う、先ずちゃんと答えを聞けよ!ってことです。

勝手に問題に答えるなよって。


この纏まり切ってないって部分が一番気になりました。


もう一つは、誰を対象に、どういう人に読んで欲しい作品なのかな?って分からなかったです。

考えていくと、これもさっきの話と近しいんですけど。


「起承転結」があります。この作品。とてもしっかりと。

あるんですけど、「起承転/結」なんです。

起承転の主役はハル君で、結だけ突然、ナツ君なんです。


だから感情移入する相手が分からなくなるんです。


この、転と結を繋ぐポイントが抜けてるんだと思います。

起承転でハル君の問題だと思っていたのは実は自分の問題だったみたいな要素か、或いは、ナツ君の返事がハル君への安心となる根拠なのか、それは分からないんですが、このポイントが一ヵ所抜けてるんじゃないかな?と思います。


たぶん、作者さんの頭の中にはあると思うんです。

シームレスに繋がってるんじゃないかな?と。

それぐらいきれいに起承転結があるので。


そんなこんなで、どうでしょう。

私にはこの繋ぎ部分が上手く掴めなかったんですが、皆さまはいかがでしょうか?

ぜひ読んでお確かめください。


https://kakuyomu.jp/works/16817330655874022238


企画のレギュレーションをざっと見たんですが、まあよくこれだけ細かく決められて書けるな!と思いました。


しかも創作ですからね。

あらすじに肉付けしなさい(桃太郎をパロディしろ、みたいなことです)ならまだ分かりますが、ポイントだけ置かれて残りはフリーハンドですからね、凄いと思います。

その中で、登場人物の表情とか、動いてる様とかが読んでて分かるんですから、えらいことですね。


改めまして、水涸 木犀さん、ありがとうございました。


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