26.【暗黒竜の渇望】らんたさん
https://kakuyomu.jp/works/16817330647877241956
あらすじ等(作品ページより引用)
闇の者になることにあこがれるほど絶望の国ペルシャ。
異形になり果て、狂気を抑え、人間をなぶりものにしていく……。
そんな絶望の大地で異形になり果てた者どもと戦う勇者が居た。
その勇者達もまた、絶望と闇の血筋を持っていた。勇者も闇に飲み込まれるのか……それとも!?
AIなんかじゃ作れない文章、特に変身シーンを見よ!! これはペルシャ神話やインド神話を元にした壮大なる奇ファンタジーにして大作ファンタジーである!
※「小説家になろう」にも掲載しています
※印は変身シーンあり(変身シーンだけを求める方は※印が付いた章だけをお読みください)
※2012年完結・2023年改稿完了
©︎ 2023 らんた 無断転載厳禁
☆☆☆
第26弾です。
らんたさん、ご参加ありがとうございます。
がっつりネタバレ含みますのでご注意下さい。
おいでませ!古代ペルシャ!
浪漫の塊、古代ペルシャ。
ペルシャって書くより、ペルシアって書くほうが雰囲気出ますよね。なんなら波斯ですよね。
ルビ振ってないと読めないですけど。
古代文明で考えると、ヨーロッパって当時は未開地だったんでしょうね。緯度高いから寒いでしょうし。
さて、今作の主軸を務めているのが『ゾロアスター教』。
聞いたことありますよ。
そんな私の中のゾロアスター教。
藤崎竜さんの『ワークワーク』(多分殆ど関係ない 笑)。
虫踏んじゃダメって教えがあって、雨の日は大変らしいぜ(学生時代の友人の言葉。嘘か真か知らない 笑)。
そんな感じです。
それでいいのか?という知識の貧しさですが、第一部、3章まで読んで来ました。
そんな知識の貧しさでも読めるのです。
怪獣大決戦!みたいな雰囲気なんですが、ちょっと違いますね。
戦ってるのは神と神です。闇の陣営と光の陣営の果たし合い。
神々の戦争があって、そこに駒として人が充てられる。
その中でその人の生き方とか価値観とか正義とかが著されるヒューマンドラマのようになるのかな?という感じです。
まだメインストーリーが動き出してないので、先に進むと印象は変わるかもしれません。
取り敢えず、枝葉末節から。
ポリコレの波を感じたよ、という話です。
三節の山場で闇と光の殴り合いがあるんですが、そこで闇側のタルウィさんがこう言うわけです。ちょっと引用します。
"「俺は親に暴力を振るわされ、奴隷として売られ、絶望を味わった。性的な屈辱まで受けた。王族のお前に何がわかる?」"
性的な屈辱……物凄く違和感がありました。凶悪犯が命がけで逃げるために乗り込んだ車でしっかりシートベルトするような感じです。
間違ってないんだけど、なんか余裕だなって。
どういう言い方がいいんでしょうね?
屈辱だけでもいいと思うような、辱めとかにしてもいいような。具体的に書く必要はないんですが、多分、言葉を選ぶ時に、自然にフィルターが掛かるようになってるんだろうなと思ったという話です。
こっちは個人的な好みなんですが、カーグさんが路銀を作る場面で、『お金』って言うんですね。
丁寧語なんだ!というのが違和感でした。
後、これはちょっとした疑問なんですが、あらすじの話です。
"狂気を抑えて、人間をなぶりものにしていく"とあるんですが、抑えて、でいいんですかね?狂気を解放するんじゃないのか?と思ったり。
以上、枝葉末節のコーナーでした。
さて、本題です。
今作の特長って、やっぱりゾロアスター教っていう普通の人にはよく分からないものをモチーフにしてるよって所です。
そして、ここだ作者の心意気なんですが、『普通の人にはよく分からないものだ』って分かっておられて、『だから分かるように書いてやる』ってことです。
つまり、分からんヤツはお断りなんだよ!っていうスタンスではないんですね。
たまにそういう方もおられます。
良し悪しはないんですが、そういう方って荒ぶっておられて、なんか指摘とかに騒いでたりして、じゃあ初めに書いとけよ!って思いますね。
話が逸れました。
分かるように書いてやるって話です。
ゾロアスター教っていうのは、ものすごく古い、実はイスラム教より古いようです。
で、所要地が中東ですから、ゾロアスター教っていう文化を、イスラム教、仏教が、これは書いてないけど地理的にはたぶんヒンドゥー教とかも食い破って、自分たちの血肉にしたことで、発展していったんです。
と、言うような事が分かるんです。知らなかったんです。私のゾロアスター教の知識は最初に書いた2行が全部でしたから。
読んで知ったんですね。
……書いといてなんですが、あってますか?笑
嘘かも知れないので、ぜひ読んで確かめてくださいね。
これはつまり、『解説』なんです。
そして、登場人物とか価値観とか関係性とかはゾロアスター教神話みたいなものに沿ってます。これは『翻訳』。
更にそれをエンターテイメントにしようという『創作』。
この『解説』と『翻訳』と『創作』っていう3つの作業を「同時にやってやろうじゃねえか!ええっ!!」っていう作者の心意気が籠もった作品なんです。
そういう理屈でいくと、司馬遼太郎さんとかがやってることに近いです。
時代背景、文化事情の解説、当時の資料の翻訳、そして、小説としてのエンタメ性の付与。
相当な熱量と知識量がないと成立しない作業です。
そこに取り組んだ作品だということです。
そりゃあ熱も籠もります!
そんな今作です。
作者さんの熱意をぜひ感じて下さい。
https://kakuyomu.jp/works/16817330647877241956
改めまして、らんたさん、ありがとうございました。
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