23.【無能力の高校生Aは生徒会長により世界を救うヒーローになる…予定です】 紫雨さん

https://kakuyomu.jp/works/16817330663074327670


あらすじ(作品ページより引用)

魔族の血が流れる異能力者と純粋な人間の血を受け継ぐ無能力者。意外にも彼らは共存し国内は平穏を保っていた。

そんな世の中に生まれた僕は、魔族の血を受け継ぐ無能力者。

ある日、異能力者専門高等学校の試験を受け見事に合格する。

手違い入学で高校生になれた無能力者の慌ただしい日々とは…



☆☆☆



第23弾です。

紫雨さん、ご参加ありがとうございます。

がっつりネタバレ含みますのでご注意ください。





さて今作を読みまして、設定とか、舞台とかってただのツールでしかないんだなと感じました。

はい、こんな感じでストレートな感想から入ってみました。


第22弾に引き続き現代ファンタジーです。

学園物です。王道です。


仕組み、とか、仕掛け、とか異能がどうだとか、ああだとかこうだとか、なんか色々細かな部分が気になる方もおられて、鬼の首取ったみたいに騒ぐ方もおられるんですけど、詰まる所、オリジナリティってそこじゃないんですよね。


小説とか漫画ってこのオリジナリティってすごく言われますね。

誰々さんのと似てる、とか、誰かのパクリだとか。


たまに本当にその通りのものがあって困るんですが 笑


逆に歌ってあんまり言われません。

そりゃあ盗作すれば怒られるんですが、カバーアルバムとかって作品として成立しちゃうんですよね。

カバーに対して、誰々のパクリだって騒いだりしません。

オリジナルとこう違うよね、って、当然、好き嫌いはあるんですが、評価として成り立ちます。


音楽って天性と技巧の物なので、記号化されにくいのかなと思います。

なので声とか歌い方を似せるとモノマネってジャンルになりますもんね。

翻って、文字ってそもそも記号なので、簡単に記号化できます。


ここまで書いて変なミスリードになってたら困ると思って慌てて書き足すんですが、今作の設定が何かに似てるって話ではないです。

主張したいところは別にあります。


記号化の話に戻ります。

例えば今作で言えば、異能者を集めた学園に、異能を持たない生徒が入学したんだけれど、実は異能が発現してないだけで、発現すれば社会の仕組みをひっくり返すほどの力を秘めてるよ、って話です。


似た設定の話って探せばあるでしょうね。

とあるフラグ建築士の設計図とかなんとかそんな作品とかも強引にまとめればこんな話です。


ここなんですよね。

『強引に』まとめれば似てる。


数学的な(?)話をします。

「1」って概念があります。

これは何ですか?って話です。


1って概念なので、人は頭の中で実体と結び付けて理解します。

だから、1って聞いたら、何かを思い浮かべる。


つまるところ、小説とか文学って1+1=2って聞いたら、私はこういう状況を思い浮かべますよっていう表現のし合いっこなんですよね。


鼠が二匹思い浮かぶ人もいれば、ポッキーが二本浮かぶ人もいます。

1と2ってアラビア数字が浮かぶ人もいるし、人が2人って思う人もいます。


全部1+1=2なんです。


さて、話が戻ります。

あらすじにあります。

ここで書いているのは、舞台設定の説明です。

なので、ここだけ読むと『ああ、そういうヤツね』って思うんです。

それは読んだ人の頭の中に1+1=2があるからです。


記号化してるからです。


でも、読むと分かるんです。

或いは、私はそう読めるんですけど、異世界じゃなくて現代ファンタジーだけども、空想の在りもしない世界の話はしてないんです。


『窮屈で、つまんなくて、もっと自由になりたくて、認められてくて、でも、認めてもらう方法も分からなくて、それでも、ここでどうにか足掻くしかないんだよ!』ってものすごい叫び声が、聞こえた気がしました。


最後ちょっと弱気になりました 笑

断定して見当違いだったら恥ずかしいですからね。

保身です。


「私はとかく読んで笑える話を」って思いながら書くことが多いんですけど、自分ではもう何か分からないけれど、そこに何か伝えたいことがあると思うんです。

何か、こう叫びたいことがあって、それを伝える手段として、私は笑って欲しいって話を書いてるんでしょう。

それが何かを見つけるには私は自分に対して偏見があるので、もうかなり難しいなとは思うんですが、でもたぶん何かあるんだと思います。

なんか、そんなことを感じた作品でした。


とても青春ぽいです。

作者がどういう意図で書いてるかは実のところ分からなくて、私がそういう解釈を与えただけかもしれないんですけど。


話をまとめますと、魂の叫び声にオリジナリティは宿るってことです。


表現的な未熟さとか、若干の伝わりにくさとかはあるんですが、学生時代の鬱々としたものが、ストレートに現れてる、ホントに今しか書けない作品かなと思います。


さて、そんな今作ですが表現として特徴的なのが【はじめに】の節ですね。

何が言いたいのかちょっと掴みにくくて、たぶん、こういうことだろうと読んだんですが、『この作品のモチーフになったものは何でしょう?』っていうクイズがあるんです。

たぶんそういう意味だと思うんです。


まだ正解は分からないんですが、その辺も楽しみつつ、ぜひ一度ご一読を。


https://kakuyomu.jp/works/16817330663074327670


改めまして、紫雨さん、ありがとうございました。


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