7.【統巫の番―トウフノツガイ―】 i'm who?さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882836954
あらすじ等(作品ページから引用)
銀青の天に黄金の稲穂。見知らぬ景。
彼が迷い込んだのは、遠い遠い彼方。
浮舟の如く揺蕩い、巡り合った奇縁。
自らをトウフだと称した端麗な少女。
差し伸ばされた手は優しくも残酷で。
目を閉じれば彼女との出逢いの記憶。
紡がれた邂逅の言葉。約束を番った。
己が成り代わった少女の儚げな笑み。
これは彼女の全てを委ねられ、契り、
人ならざる少女になった青年の軌跡――。
~第二章のあらすじのため中略~
※作品表紙イメージイラストhttps://kakuyomu.jp/users/1184126/news/16817139559106645763
※この作品は【小説家になろう】さん【アルファポリス】さんにも投稿しております。©️2015 I'm who?
☆☆☆
第七弾です。
i'm who?さんご参加ありがとうございます。
がっつりネタバレ含みますのでご注意ください。
一章:中編:白紙の記憶(完)までの感想です。
一章読み切りたかったんですが、スケジュール上ここまでと相成りました。
ごめんなさい。
読む前の印象から。
タグにある“ほのぼの(嘘)”が気に入りました。
重たい話なんだろうな、と。
後、あらすじってやっぱり難しいなと思いました。
もう少し親切なあらすじの方が読みかかりやすいとは思いますが、作風との兼ね合いもあったりとか、あらすじで書くと本筋のネタバレになりそうだとか、このバランスって難しいと思います。
誰か客観的にあらすじかいてくれないかしら?と思うことが度々あります。
かつて自主企画で誰かあらすじ書いて!って立ち上げたけど、見事にスルーされました。私も人がやってたらスルーするんで、当然の帰結だとは思うんですが。
さて、余談はいいとして、感想です。
序章と一章で話の感じが随分変わりますね。
読みやすいで言えば、序章より一章の方が読みやすいです。
序章が読みにくいってことはないんですが、漢字が多いと、目が詰まるのは致し方ないです。
読みやすい、分かりにくいって表現も難しいなと思います。
スティリアのしえるさんも読む前の注意事項で書いていたんですが、個人的には文法が整っていれば、読みにくさはさほど感じません。簡単、難しい、はありますよ。
文と文という点と点を繋いで線にする作業が読書だと思うんですね。
文法がしっかりしてるってつまり座標がしっかりしているということなので、座標が定まっていれば線は引ける。
つまりこの線を引くって作業が「解釈」と呼ばれる領域で、点と点の距離が近くて、線の引き方に自由度が無くなる程、精緻な表現とかって呼ばれるし、点と点が離れてて、読み手が自由に線を引けるようになっていると、想像力を掻き立てる表現となるんでしょう。
小説じゃないけど、エヴァとかまさにそうなんじゃないでしょうか?
疑問形なのは見たことがないからです 笑
今作は、“内容はともかくとして『読み辛い』と自覚はある”(コメントより引用)ということです。
一章で言うなら、「読みづらさ」はあるんです。
長いし、漢字多いし、伏線あるし、で。
ただ、「読み上げやすい」とは思います。
印象としては、講談とか、活動弁士とかって、一人喋りで映像を作る人が使うような表現に近いのかな?と思いました。
実際に口に出して、朗読とかすると、意外としっくり来そうです。
地の文なんだけれども、キャラに感情移入したり、読者に呼び掛けたりすることで「臨場感を作っている」な、と思いながら読んでました。
特に、一章の最後の方です。
これが二章になると少し変わる。
視点が変わるという違いも大きいですし、表現そのものも、語り手の個性がだいぶ薄れるように思います。
内容が世界観の紹介から登場人物の紹介に変わってるというのもあるんでしょうね。
その中でやっぱり導入って大事だなとも思うんですね。
世界観が作り込まれていて、その中にどっぷり落ちて欲しいってモチーフだと思います。
拘りだったり、好みだったり、プライドだったり、表現者としての色々な業はあると思うんですが、ただ当然の話で、突然海に突き落とされたらみんなどうする?って話ですよね。
溺れないように必死に岸に逃げますよね。
この視点て大事だなと思いました。
今回は、さあ泳ぐぞ!って飛び込んでるんで、泳ぎ始めたら気持ちいいね!ってなるんですが、遠泳に挑戦!みたいな人は、ネット小説じゃなくてハードカバーに行くと思います。
なので、浅瀬で遊んでたはずなのに、気が付いたら深い所にはまってたみたいな導入って大事だなと感じました。
そう考えると、週刊漫画の新連載第一話って役に立つんじゃないかと思います。
世界観の説明と、世界観に基づいた事件の発生と、その解決と、次話へとつながる導線とを32ページで表現しないと成立しませんから。
全部じゃなくて一部です。
その異世界の分かりやすく、かつ話の肝になる所をうまくピックアップして、現実世界と馴染ませる書き出しを意識する。
陸を現実世界、海を異世界と置き換えてると、海水浴(陸に足がつくところ)に来てたはずなのに、いつ間にか沖に流されていたとできれば、読み進めてもらえないという不満は解消されてくるでしょう。
難題ですが 笑
あと、これは好みの問題だと思うんですが、メタっぽい表現が多いです。
メタという表現が正しいのかちょっと自信がないですが。
ギャップの作り方、もしくは緊張の緩和のさせ方、或いは、異文化コミュニケーションと価値観の変容として書いているのかな?とも思うんですが、メタっぽさを使った笑いって――価値観の変容がテーマだったら、笑いではないんですが――、一歩引いた笑いなんですよね。
説明いらないと思うんですが、一応、念のため。
漫画の中で「マンガじゃないんだ!」ってセリフがあるとする。
これは読者の「いや、マンガだよ!」って突っ込みがあって成立する。
漫画だよ、作り話だよ、もっと言えば、嘘だよって読者が冷静じゃないと成立しないです。
となると、世界観に没入させたいのか、一歩引かせたいのか、その軸がぶれます。
面白いんだけど、醒めます。
なので序章より一章の方が読みやすいんですけど、読み進めにくかったです。
異世界転移って構造自体が少なからずメタ要素で成立していて、あとはどれだけ書き出すかって話だと言えばそうなるんですが。
この辺りは完全に好みの問題でしょうね。
さて、今作ですが、とにもかくにも世界観はしっかりしてる作品です。
話の展開もきちんとしてますし、キャラクターの掘り下げも丁寧で、エピソードも豊富です。
話が破綻する気配もないです。
読みごたえと安心感のある話です。
ぜひ一度、ご一読を。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882836954
改めまして、i'm who?さんありがとうございました。
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