第35話
「大丈夫だよ」
「あ、でも、その……キャンプの仕方とか、えーっと、いろいろ」
キャンプの仕方?
あるよね、いろいろさ。テントはどこのがいいとか、キャンプ飯のいろはとか。
そんな本格的にキャンプするわけじゃないし。たき火を眺める配信にするだけだし。
「大丈夫だよ。ありがとうね。また、ダンジョロイドのこと教えてね」
「は、はい!いつでも!なんでも聞いてください!魔改造の仕方意外なら教えられます!」
魔改造?
何だろう?魔物っぽい見た目にするってことかな?
え?ってことは、魔物だと思ったら、実はダンジョロイドってこともあるってこと?
……スターマインもそう言えば耳がついてるし……。
そうだよね、見た目は自由にできるんだもんね。
猫が好きなら猫型ロボット……じゃない、猫型ダンジョロイドとかにすればいいんだよね?
あ、そうするとダンジョロイドで手に入れた装備が使えないんだっけ。
「教えてくれてありがとうね。何かお礼しなくちゃね」
「おっ、お礼、お礼なら、必要な……いえ、あの、しょ、しょ、食事……」
お礼は必要ないか。そりゃ塩田君遠慮深いし。
食事?うん、こういう時はそうか。缶コーヒーとか「いつもありがとう」とか言って渡すのが定番?
うおー、職場の先輩が缶コーヒー持って「頑張りすぎるなよ」みたいなのかっこいいよね!
あ、それじゃあお礼にならないか。なら、お礼はお菓子、そう、お菓子がいいよね。
「塩田君、好きかな?」
「ええええ?え?え?好きって、何を、誰を、あの、もちろん、その、す、す、好き……」
「あ、ごめんごめん。ダンジョロイドの配信者とかの話じゃなくて、お菓子とか、好き?」
義弟にも怒られるんだよね。「お姉ちゃん、頭の中で考えていたこと突然口に出されても前後がつながってなくて意味が分からないっ!」って。
「お、お菓子……?はい。普通に好きです」
なんだかテンション駄々下がりに返事をされた。
本当は好きじゃない?普通に好きってどのレベルなんだろう?お菓子じゃない方がいいかな?
うーん。これは、男の子は何をもらうと嬉しいか調査として、勇樹に一度聞いてみるか。
「じゃあ、今日も仕事頑張ろうね!」
塩田君に手を振って別れる。
……そうだ、塩田君はダンジョロイドの配信もしてるんだから、勇樹とは年齢が近いだけじゃなくて趣味も同じってことだよね。ならやっぱり勇樹に聞くのが一番だよね。
思い立ったら吉日。
スマホを取り出しメッセージアプリで勇樹にメッセージ。
『何か欲しいものある?』
送信っと。
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