第2話 あっという間に5年が経った
それから1年。
ダンジョンの中で倒された魔物はすぐに消滅してしまうため食べられない。
ダンジョンから時々出てくる魔物が出てくる。小さいとはいえ、野生の猿や犬に襲われたら人間は勝てないのと同じで非常に危険である。いくら魔素が切れれば消えてしまう存在とはいえ放置するわけにもいかない。
世界各地でダンジョンから出てきた魔物による被害が報告されたため、ダンジョンから出てこないようにする施策がとられた。
出入口を閉鎖したインドでは、知らない間に膨れ上がった魔物がある日大量にあふれ出て大きな被害を出した。
【スタンビートだ】
【ダンジョンの中で間引かないとダメだ】
各国、ダンジョン用機械が開発されたが、入り口付近の魔物は倒せても、奥の魔物を倒すことはできずにいた。
【俺、すげー武器作った!ダンジョンで試してみる!】
ある時、趣味で二足歩行型猫サイズロボットを作った男がいた。
【おいらも作ってみた!3Dプリンターで外装作った!】
ある時、趣味で二足歩行猫サイズロボットを、美少女に改造した男がいた。
【ダンジョンドロップ品を装備させてみた!】
ある時、ダンジョンドロップ品を二足歩行猫サイズ美少女ロボに装備させた男がいた。
【やっぱ、そうなりゃこれっしょ!】
そして、ついに、VRロボになった。
自宅で自分の動きを再現させられるロボ爆誕。
日本人の趣味人が本業そっちのけで開発した。
かなりリアルなVRゲームの出来上がりだ。企業が追随し、一般発売された。
【最低60万か……。高いなぁ】
【バイト代貯めたぜ!】
【配信で人気者になればすぐに取り戻せるさ!】
【ライブ配信視聴者……今日も3人……月のインセンティブ3円】
【俺氏涙目】
さらに1年。
ダンジョン内にギルドなる組織ができていた。
高額なロボや、ドロップした装備を狙った悪者を取り締まるため、様々なルールがダンジョン内にできた。それを実行するための組織だ。いらないドロップ品の売り買いもここで行うことができる。
そして、さらに1年。
猫サイズロボにDNAを登録すると経験値がたまりレベルアップすることが分かった。
元々は、高額なロボの盗難対策にDNAを登録し始めたのだが、まさかの効果。
これにより、現在猫サイズロボ……ダンジョン探索用二足歩行ロボ、通称ダンジョロイドにはレベルと冒険者ランクが備わるようになった。
ライブ配信による広告収入に大きく影響するため、レベル上げには熱心な者も増えた。
そして、ダンジョンが現れてから5年後の現在。
「ふ、ふぉー!初めてのダンジョンっ!え?何、これ、VRすごい!」
本当に自分がダンジョンの中に入ったみたいだ。
あ、そうだ、ステータスオープンだっけ。
「ステータスオープン」
ぶおぉんと音がして画面が現れる。
「聖剣のスターマイン……が名前?えーっと、レベル999で、冒険者ランクSS……」
……すごいとは思っていたけれど、これって、めちゃくちゃすごいのでは……?
義弟に頼まれて、ダンジョロイド操作することになったけど、本当に大丈夫なのかな……。
あれは3日前のことだ……。
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