出発

 「では、我々の加勢は要らぬと申されるのですか?ホワイト殿」

 ダモス公爵は動揺した声でホワイトに訊ねた。

 「はい。その代わりに、国中の町や村に兵を置いて守りを固めてください。イーグル王子、王都の警備はお任せします」

 「承知致しましたホワイト殿。ですが、本当にそなたお一人で戦うおつもりですか?」

 今度はイーグル王子が訊ねた。

 「はい。来訪者と直接戦うのは僕だけで構いません」

 「なんというお覚悟。勝算はお有りなのですか」

 「大丈夫です。問題ありません」

 「では直ちに兵を集め、各地域の警備にあたらせます」

 「よろしくお願いします」

 「ホワイト殿。どうかご武運を」

 「そちらも」

 三人は別れ際に握手をした。

 馬車を見送ったホワイトは、家の近くで馬を飼っているアーバンじいさんの所に立ち寄り、そこでいちばん速い馬を借りて出発した。

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