地方公設市場と直売所
農業を始めるまで全く知りませんでしたが、ほとんどの街には地方公設市場というものがあります。
町の小売店、スーパー、仲買商などがお金を出し合って設置しているものが多いようです。
ここに出荷するのには何の資格も会費等も必要ありません。
決められた時間までに生産物を並べておくだけです。
翌朝にセリにかけられ、販売代金はその日か翌日に受け取ることができます。
我が家では、農協で出荷したものの余り、少量だけ作っている葉物や、豆などを出荷しています。
小さな取引なので、稼ぎも少ないのですが、我が家ではメイン作物の合間に利用しています。
だいたいのものが百グラム三十円から百円くらい、それでも月に数万円にはなります。
これで子供を育てるというのは不可能ですが、年寄夫婦二人の食費ぐらいは出ます。
公設市場の売り上げは基本現金払いです、インボイスなんか関係ありません。と、言うことは、使い道と利点は各自お考え下さい。
最近我が家は利用していないのですが、直売所、というものもあります。
道の駅、農協、一般法人等、設置者はまちまちですがだいたい会員になり、売り上げのうちの何割かを手数料として取られるというものです。
公設市場や農協出荷と異なり、自分で価格をつけることができますが、値付けは結構悩ましいものがあります。
だいたい出荷者は似たようなものを栽培しています、自分の生産物がほかの人と差別化できるならいいですが、大体みんな団栗の背比べ。みんなでカルテルを組めばいいですが、人より安くして売ろうという人の方が多くいます。結果、値段はどんどん下がります。
おまけに時期には売れるキャパより、出荷されるものの方が多いということも、よくあります。
つまり売れ残りが大量に出る場合もあるということです。
結局我が家では、ここ数年直売所への出荷はしていません。
安くても、公設市場の方が売れ残りがないこともあって、気分が楽なのです。
まあそれでも、トラックいっぱいの大根が十円などということもあるので、へこむことも多いのですが。
農協、公設市場、直売所、契約栽培それぞれに長所短所があります。組み合わせてもよし、どれか一本に絞ってもよし。
個人個人の考え方、作物の種類、等々で変わります。
あとネット販売というものもあります、どこかの業者と契約することが多いと思いますが、規模を拡大して、自分でやるということも考えられます。
私も一時期考えましたが、やめました。
既に後発組で、顧客を獲得する自信がまったくなかったからです。有機無農薬なんて当たり前でセールスポイントにもなりません。
しかもネット販売となると、果実でなければ、どうしても少量多品種にならざるを得ません。
不思議なことに作物との相性というものがあります。ほかの人が簡単にできるというものが私には、うまくできない、その逆もあります。
となると、少量多品種というのは、言うほど楽なことではありません。
しかも、自分で発送、値段の交渉、集金の必要があります。
公務員しかやったことのない身としては、まったく自信がありません。
農業で食っていくには、自分のことを見つめなおし、周囲の状況を研究することが大事なようです。
田舎で農業でも ひぐらし なく @higurashinaku
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