田舎で農業でも

有機農法？

　私が新規就農したころは、ちょうど「奇跡のリンゴ」が話題になったころでした。また「美味しんぼ」という超有名な漫画が、これでもかというぐらい有機農法を推していました。

　ミーハーな私は、当然ながら、農業は有機だよ、と単純に思い込んでしまいました。有機農法の本を買いあさり、あれもこれもやってみました。あれもこれも試してみました。

　それはそれで、楽しかったです。

　除草剤なんて使ったら、農薬は地球に悪い、化学肥料は、あっちこっちの受け売りで、ほらうちの野菜は、有機だからうまいって、自信をもって直売所に置いていました。

　今は？　まあはっきり言って、有機らしきものです。

　除草剤、たまには使います。

　農薬、ほぼ使いません。

　化学肥料、時と場合です。

　堆肥、年間８トンくらい入れてます。

　契約栽培に関しては有機です、それは契約だからです。ま、私はそのおかげで高く買っていただけるので文句はありません。　

　有機をやりたい人にはどうぞといいます。反対する理由がないから。

　販売先と収量と労力と稼ぎを検討して、頑張ってみてください。ただ他人にそれを押し付けるのはやめましょう。まして、うちのは有機なのに誰も買ってくれないとか、農協はなぜ買ってくれないとか愚かなことを言うのは……。

　私は、農薬が、とか化学肥料はとか、グリホはという人とは話をしないことにしています。たぶん頭でっかちの真面目な人でしょう。付き合いたくはないです。

　あなた、病気の時に薬飲みませんか？

　蚊やゴキブリが出たら殺虫剤まきませんか。

　人間が薬が必要なように、植物も病気の時は薬が必要です。

　厚労省は正しいけれど、農水省はだめというのでしょうか。

　残念ながら、医師とやら名乗る人にもそんな人がいるんです。

　家にまく殺虫剤は人に害がない？

　そんなわけないと思いませんか、農薬として売られている殺虫剤の方がはるかに自然にも人にも優しいですよ。

　そうでなければ、まず一番に農家があの世行きです。

　その観点で、自分の頭で世に出回っている流言飛語を見直してみてください。

　SNSで稼ぐためにか、物もわからずにとにかく騒ぐ人はお好きにどうぞ、でもあなたが農業をやりたいならばそこをよく考えてください。

　ちなみに農薬って高いんですよ、面倒だし、思っている以上につかっていない人多いですよ。

　それと有機だからおいしいていう人、家庭菜園なんかの人に多くいます。それ、本当に味分かっています？

　私はバカ舌だからわかりません。ただ自分の家用の野菜は取れた手だからおいしいですよね。

　有機のおいしい（？）野菜とやら、よくコマーシャルは言ってますよね。宅配されてきた野菜、採ってから何日もたって、本当においしいですか？

　有機だから野菜が腐らない？　笑っちゃいます。

　それでも私は、あなたが勇気を目指すなら反対なんてしません。

　どうぞお好きに、人それぞれです。

　ただし、有機農法は本を読んでも意味がありません、その小尾Tだけは知っておいてください。

　人に習っても意味がありません。

　あなたの畑の土壌のタイプ、一日の日照時間は、水は、風は、周囲の環境は。

　すべて異なります、それらによって方法がまったく異なります。

　まあ、有機でなくても同じですが、十年はかかります、諦めずに自分の方法を見つける、その覚悟はもってください。