第5話 初めての戦闘
小川に沿って上流へと探索に向かう。
2時間ほど歩いたその時
ガサ… ガサ…
「ん…? なんだ?」
ガサガサ… ガサガサ…
(野生動物か?ちょっと危ないかもしれんな。草むらに隠れるか。)
身を隠した直後、緑色の120cmぐらいの人型生物が1匹出てきた。
『グギャギャゴギャ』
(ひっ!!)
(何だ? 新種生物? 映画? なんだか本能的に危険を感じるぞ)
『グギャ!』
(何か持ってる。白い動物…?血?)
「!」
(マジか!!! 喰ってる!!!)
恐怖で身体が震え、その場から動けなくなった。
(考えろ!考えろ!考えろ!絶対に声を出すな!音を立てるな!動くな!)
(この石ナイフしかない。これじゃ戦うのは無理!)
(気づくなよ! たのむ!)
『グギャ♪』
バリ… バキ… モシャモシャ
(ヤバいって、なんだここは。未開の土地じゃねーか。)
『ギャ?』
(ヒッ…。動きが止まった。も、もしかして、こっち見てる!?)
『ギヒw(ニヤリ)』
(ひぃぃぃ!やっぱり見てる。やばいやばいやばい。何か考えないと。)
(こ…コッチに来た。)
(か、覚悟を決めろ! 俺は男だろ。化け物は俺より小さい、何とかなる!)
そして俺は右手に石ナイフを握り、全力で緑の化け物に向かって全力で叫んだ。
「ふんがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ビクッ!
緑の化け物が一瞬怯んだように見えた。
(たのむ!向こうに行ってくれ!!!)
『ゴギャャァァァァッァ!!』
叫んで威嚇したのだが効果はなく、緑の化け物が叫びながら突進してきた。
「ぎゃぁぁぁぁぁ」
俺は情けない悲鳴をあげながら、無様に逃げた。
だが、恐怖に侵された体は思うようには動かず、緑の化け物に左腕を噛みつかれる。
「 んぎゃーー!!!!! 痛ぇぇぇぇ!!!!! 」
痛みのあまり、石ナイフを持った右手を無我夢中で振り回した。
『ヒギャァァァァ!』
偶然、緑の化け物の左目に石のナイフが刺さった。のたうち回る「俺」と「緑の化け物」
「 いでぇぇぇぇ!!! 」
『 ヒギャァァァァ 』
痛みに支配されながらも何とか意識を保ち、恐怖と痛みと怒りのぐちゃぐちゃになった感情が沸いてきた。虚ろな意識の中、ヤツがのたうち回っているのを確認した。
化け物を刺した石ナイフを捨て、近くにあった大きめの石を持つ。
〝殺される前に殺す〟
ヤツの頭部へ全力で投げる。
『グッゲギャァ…』
叫び声が小さくなり、動きが鈍くなる。
もう一度石を投げようとしたとき、ヤツの叫び声が止まった。
「ハァ…ハァ…やったか?」
左頭部半分が陥没している。どうやら息絶えたようだ。
「いでぇぇぇ。体もめっちゃ熱い。これは致命傷かもしれん。命に関わる傷や…」
「ここは危険だ。焚き火をした場所の方が安全だ。無理してでも戻らないと…」
この付近は化け物の生息地域だと判断し、拠点へと戻ることにした。
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痛みに耐えながら海岸沿いを歩く。
(アレは何だ!なんで化け物がいるんだ!まるでゲームじゃないか!)
(しかもゴブリンそのものじゃないか!!)
左腕は流血しているが骨は無事っぽい。
フラフラになりながら何とか拠点まで戻れた。
(もう無理だ…。怪我を治す手段も無い、薬も無い…。こりゃ死ぬな…。)
最低限、なにか処置をしなければと思い、小川で怪我した左腕を洗う。
(止血は、この上着で縛るしかないか…)
痛みにながら傷口を洗浄して上着で止血をした。
少しでも栄養を摂取しなければと考え、呻きながらパパイヤを食べる。
そして意識が薄れて気絶した。
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