第4話 行動を決めて道具を作る
日の出と共に目が覚めた。昨夜は疲労が激しく、そのおかげで熟睡出来たと思う。
「あ゛~。身体が痛く…ない?」
なぜか身体の調子が良い。持病の腰痛も痛みがない。
腰だけにとどまらず全体的に調子が良い。10代の頃のように。
今日こそは助けを呼ばないと。このままだと倒れるかもしれないな。昨日は3時間ぐらいは歩いただろうか。移動可能な範囲を検討して行動予定を立てた。
この場所には水とパパイヤがある。最悪はあと数日ぐらいは何とかなるだろう。
日の出・・・・・・AM6:00ぐらい ←今
日没・・・・・・・・PM6:00ぐらい
行動可能時間 12時間
往路・・・3時間
休憩・・・0.5時間
探索・・・2時間
復路・・・3時間
休憩・・・0.5時間
食料調達・・・1時間
火おこし・・・2時間
砂浜に棒で行動予定時間を書いてみた。ざっとこんな感じだろうか。
探索で動ける時間が短くいな。片道3時間だと約10km圏内が限界だろうな。
まだ無理はしない。何があるか分からない。
とりあえず、探索は片道3時間前後の範囲と決めた。
時計がないので太陽が頭上付近で12時と仮定し、行動をすることにした。
悪友の安否やこれからの事など、不安が多いがとりあえず今を生きる。
それだけでも多少は精神が安定する。
昨日と比べて身体の調子がいい。手足の細かい傷も治っている。
ラノベの世界みたな状況だな。
「ス…」
「………」
「ふぅ」
そろそろ探索へ向かう。
水を持ってくればよかった。だが水筒が無い。パパイヤも持ってくるのも忘れた。戻るか。
ちょっと状況はヤバいな。人工物(漂流物を含む)を一つも見かけてない。この場所が「無人島」か「それに準ずる地帯」である可能性が高い事に気付いてはいた。ただ、それを認めると絶望感に押しつぶされる。根拠は無いが大丈夫と思うようにする。
根拠はないが、俺の運は強いはず。墜落しても生き残れた。
まあ…運が良ければ飛行機は墜落しないのだが…
事実、運が強いのは本当だと思う。
墜落から生き残り、致命的な怪我をせず、水と食料を発見したしな。
狼煙を上げれば救助船や飛行機に見つけてもらえる可能性もある。それと砂浜に木材などで大きなSOSを作れば発見される確率は増えるはず。などを考えているうちに拠点付近に戻って来た。
探索には水も必要だ。ストックしていたパパイヤの中身をくり抜いて皮を利用すれば、水筒を作れないか考えてみた。だが加工するナイフなどの道具が何もない。
石ナイフを作ってパパイヤを加工してみるか。早速、河原にある石を見繕った。
大きく良さげな石を見つけた。持ち上げると見た目より軽い気がする。
河原へ拾った石をぶつけ割ってみる。
ガン!! バキ!
昨日より力が強くなっている気がする…
「ステ…」
拾った石を繰り返し割ったがナイフに適した形にならない。
さらにぶつけて加工する。いびつな三角だがこれが限界と感じた。
次はこのナイフ石を他の石で研ぐか細かく削り刃の部分を鋭利にする。
たしかそんな方法だったかと。
それから約1時間…
簡易的な石ナイフが完成した。これで水筒も作れるかもしれない。
初めての道具が誕生した。
ふと思う。パパイヤの皮は数日で腐るかもしれない。
とにかく無いよりマシなので水筒を作ってみる。
思ったより石ナイフ(雑)が切れる。
これならば簡易水筒作れるかもしれない。
うん。無理。中身がくり抜けない。
結局、川沿いを探索して水筒は不要とし、ようやく行動を開始できた。
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