第四章

第41話

「アルくんとクロスくん、最近仲いいね〜。何かあったの?」

「男同士の秘密の談義をしたんですよぉ」

「そうなんだ〜」


 幽霊ペリアの日から数週間、アルとクロスは仲を深めていった。

 お互いの身分を話した事により、アルは気持ちが楽になりクロスの前では気を抜けるようになった。

 だがまだミリヤの前では格好つけたかったアルは、クロスには自分の口調について何も言わないでくれ、と頼み込んだ。

 クロスは「そっちの方がいいと思いますがねえ」と言ったが、アルはまだ気持ちが定まってないから無理だと言った。


「決闘祭が終わりましたので、次の大型イベントは……長期休みですね」

「外にも行けるようになるようなので、この長期休みの機会に、三人で海に行きませんかぁ?」

「いいね! 行きたい!」


 アルが思い出したかのように言う。それにクロスが海の話を出し、それに反応したミリヤは机に身を乗り出した。

 長期休みでは外出を認められており、学園の外に行けるようになっていた。

 外に行くには申請書を出すだけだった。外出中の事は自己責任な為、怪我をしても、何か事件があっても学園として何もしない、できない事を長期休みの話の時に、紙で貰っていた。


「海といえば、水着だよね。友達と買いに行くね!」

「いいですねえ。アルさんがミリヤさんにまた惚れてしまいそうですねえ」

「えっ、そ、そうかな……頑張って水着選ばないと……」

「アルさんは際どい水着が好きなんですよお」

「えっ、そ、そうなの!?」

「嘘教えないでもらえます!? み、ミリヤさんだったらなんでも好きです!!」

「えっ!」


 アルの必死な言葉のなんでも好きと言う言葉に、ミリヤは顔を赤らめた。

 それを見てクロスはにやぁと笑った。


「あらあ〜お熱い」

「は、嵌めたな!?」


 顔を真っ赤にして思わず素が出たアルはクロスのネクタイを引っ張る。クロスはくすくすと笑い「いやあいいもの見せてもらいましたあ」と言った。

 アルはその様子に怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にして頬を膨らませた。

 対してミリヤは二人の様子なの気にも止めず「そ、そっかぁ……えへへ」と照れていた。


「〜〜〜〜!!!!!」

「あるさ、アルさん。落ち着いてくださ、首しまってる! 首! 首い!」

「あ、アルくん!! クロスくんが死んじゃうよ〜!!! 手を離して!!」

「貴方を殺して僕も死ぬ……!」

「物騒!!!」


 その後、疲れた様子の三人が目撃された。

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