第25話
数日が経ち、三人でまた談笑をしようと準備をしてからクロスが口を開いた。
「実は……二人に報告があるのですー」
「なになに?」
「その表情……いい事でもありましたか?」
クロスの顔は少しにやけており、嬉しさを隠しきれてなかった。クロスは一呼吸置いてから紙を見せた。
「僕の紙に、これが貼ってあったんです!」
「なになに? 『自分でよければ組みたいです。明日交流広間でお待ちしております。ぺリア・リベリア』……おお! いいね!」
「どの学科の方でしょうか? 交流広間と書いてありますから、獣人科かエルフ科のどちらかだとは思いますが」
紙の内容にミリヤは拍手をする。クロスは「安心しましたあ。これで決闘祭に参加できますー」と笑った。
決闘祭は事前に参加申請を出さないと戦闘には参加できない仕様になっていた。アルとミリヤは前の時にすでに申請を出していたので参加は決定していた。ただ一人クロスだけは参加できない事に悩んでいた。
「ミリヤさんはこのペリア様を知っていますか?」
「うーん……分かんない。私の友達にはぺリアさんはいないよ」
「獣人科の方か、エルフ科の方か分かりませんね……」
「そこは気にしていないので大丈夫ですよお。どんな人が来ようと、初対面で嫌われなければいい事っ……!」
「クロスさんの第一印象、最悪ですからね」
「なんではっきり言うんですかあ!!」
クロスの言葉にミリヤはまあまあとクロスを宥めた。
「私達が傍にいて補助しようか?」
「うう、大丈夫です。ここは僕一人で、印象を覆す事に意味があると思っているので!」
ガッツポーズをしながら言うクロスにミリヤとアルは「頑張れ」と応援した。
「では、今日は何を話しますかあ?」
紙を仕舞い、クロスのその言葉に三人はいつものように談笑を始めた。
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「ぺリア・リベリア……一体どこの科の方なんだ?」
夜、アルは部屋で今日の話の事を思い返す。記憶があやふやになっているが頑張って記憶を思い出そうとするが、頭に霧がかかったかのように思い出す事が出来ない。
「怪しい方じゃないといいが」
ぽつりと呟きベッドに寝転がる。原作知識が使えない事に少しの不満を抱えながらアルは眠りについた。
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