第2話 月の都交響曲

 1


 揺れ動いた蠟燭の熱い光

 ここは素晴らしき月の都

 地球人とやらが毎日のように見上げる


 頭につく長い耳も

 ちょこんとつくしっぽも

 どれも私たちだけのもの


 うらやましいかい?

 毎日のご飯はお餅

 とっても美味しいもちもちお餅

 毎日楽しいな


 つまらなそうな下界

 私たち特別(*´꒳`*)


 餅を食べながら眺める下界も悪くはないけど

 でも向こうの世界は怖いことしかなさそうに見えて

 みんな疲れてて 誰か憎んでて

 私の入る居場所はないみたい


 みんなこっちにおいでよ楽しいよ

 でも地球人は怖いんだ

 旗を立てて 足跡残して

 決定的に私たちとは違う


 私たちはここが幸せなの

 月の水でおめかししましょ


 2


 楽しそうな歌声も

 みんな笑うおおらかな性格も

 どれも私たちだけのもの


 望ましいかい?

 毎日の仕事はお餅

 とっても苦しいもちもち餅つき

 毎日楽しいのかな


 楽しそうな下界

 私たちちょっと変?(´꒳`)


 餅を月ながら眺める下界は羨ましくて

 だから向こうの世界は楽しいことしかなさそうに見えて

 みんな笑ってて 誰か好いていて

 私の入る居場所はないみたい


 みんなあっちに行こうよ楽しいよ

 でも地球は怖いんだ

 沢山のビル群 たくさんの地球人

 決定的に私たちとは違う


 みんな幸せになる方法はないの?

 月の砂でおめかししましょ


 ?


 夢の中感じたの

 私の体から耳としっぽがなくなって

 地球人たちの中で淡々と仕事をこなすのは


 なんて私たちと似ているんだろう


 ああ


 もちを食べながら眺める下界は不思議に見えて

 だから向こうの世界は理不尽なことしかなさそうに見えて

 みんな考えてて 誰かもがいてて

 私の入る居場所はないみたい


 みんなここに居ようよ楽しいよ

 なんで自分が怖いんだ?

 沢山の考え たくさんの思想

 何故だろう私たちと似ている




 揺れ動いた蠟燭の熱い光

 ここは素晴らしき月の都

 地球人とやらが毎日のように見上げる。

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