静物画家

はるむら さき

静物画家

彼は有名な静物画家で、写実画家。

その目に映るすべての物をそのままキャンバスに閉じ込める。

今回、新しく発表された彼の絵には、今までにないモチーフが描かれていた。

彼の絵を見た誰もが言う。

「今にも動き出しそうだ」

たくさんの記者が集まり、彼に問う。

「いつもは静物ばかり描かれていますが、今回はどのような心境の変化で、生物を題材に選んだのですか?」

記者のインタビューに、彼は笑った。

「生物なんて、とんでもない。僕はただの静物画家。それに、なぜか生きものを描くことが出来ないのです」

彼の言葉に、その場の誰もが息を飲む。

では絵の中で、眠るように座っている彼女は、もしや…。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

静物画家 はるむら さき @haru61a39

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ