第14話 次の場所?

 さて、これからももふもふを探すと言ったものの……


「どこ行こっか?」

「決めてないのかよ⁈」

「だって私どこに何があるのか分かんないしさ」

「セリは別の世界から来たんだっけか」

「そうなんだよねえ」


 この世界のどこになにがあるのか、どんな動物がいるのか分からない。

 だから、もふもふを探そうと言ったってどのあたりにいるのかも分からないのだ。

 どうせならもっと大きな動物を見てみたいのだけれどね……


「街へ行ってみるのはどうだ?色々なものが売られている。食べ物や服もあるみたいだから一通り揃えてから行動するのもいいのではないか?」


 ライオスが言った。

 

「街?その街って何があるの?」

「それならオレ行ったことあるぜ。なんかうめえ食いもんがあった気がする……言ってたら食いたくなってきたから行くか?」


 ヴォルフが答えた。

 美味しいもの、か。動物基準で美味しいものって何が売られているんだろう。

 とはいえ、服は欲しいしなあ。

 

「うん、行ってみたいな」


 私は頷いた。

 すると、ヴォルフが私を背に乗せる体制をとってくれた。

 私はその上にまたがる。


「街ってここから近いの?」

「まあ、すぐだろ」

「そうなんだねえ」


進みながら答えてくれた。

 今回はゆっくりと進んでくれている。

 ちなみに、ひよこ達とはお別れしてきたよ。せっかく柵も作ったからあのまま安全に過ごしてほしい。


「あ、私こっちの世界の通貨持ってない……」


お金がなければ何も買えないというのに。

 どうすればいいのかな。


「安心しろ。俺が持っている」


ライオスがジャラッと音を立てて袋を出した。


「なんでそんなに⁈」


私は驚いて大きな声が出た。

 先程まで一人で、住む場所を探していたライオスが何故通貨を持っているのだろうか。

 危ないことをして手に入れたものでないのならなんでもいいのだが。


「これは、スライムなどを倒して手に入れたのだ。他にも瓦礫を除去したりして礼をもらったのだ」

「スライム⁈空想上のものかと思ってた……」


それよりも、世界観が違うような?

 てっきりここはもふもふな動物が出てくるだけの世界だと思っていたのにな。

 伝承といい、わけの分からないことばかりだ。

 もしかしてダンジョンとかもあるのだろうか?


「ねぇ、この世界ってダンジョンはあるの?」

「あー確かあった気がすんぞ。それがどうかしたのか?」

「いや、なんでもない……」


あるのか。そうなのか。

 ますますこの世界がなんなのか分からなくなってきた。

 ん?待って?もふもふが冒険者の装備してるってことだよね?それは見たすぎる。

 どうしたら見られるかな。街につけばいるかな。いるといいなあ。


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