動物と話せるようになったのでもふもふを堪能させていただきます！

第2話 伝承？

「楽園かどうかは知らないけど……それより、あなたってもしかしてニホンから来たの？」

「えっ？日本を知ってるの？」

　ここは別の世界だって思ってたんだけど、違ったのか？

「そうね、伝承で聞いたわ」

「伝承？」

「えぇ。百年前に動物達が暴れ出して、帝国を攻めた。そんな動物を止めたのが、ニホンから来たニンゲンだって言われてるわ」

　そんな伝承が残っているのか……

　動物が暴れた、か。その中に私の好きな種族はいたかな？いたのなら少し悲しい。

　けれど、早くもふりたいな〜

「ちょっと、聞いてるの？」

「うん。日本から来た人が止めるってすごいね」

「でしょ⁈私もそう思ったのよ！だからもしニホンから来たニンゲンがいたら、仲良くしたいなって！」

　興奮して早口になりながら言ってきた。

　よほどの想いだったのだろう。

「そうだったんだ。じゃあ、私と仲良くしてね。私は伝承みたいにすごい人じゃないけど、一応日本にいたから」

「やっぱりそうなのね！仲良くしましょ。けど、あんまり触るのはなしだからね！」

「えぇーそんなぁ……」

　友達になっていっぱいもふもふを触ろうと思ってたのにな。

　でも、うさぎと友達になれるって、嬉しい。

「まぁ、たまになら良いわよ？」

「やったー！そうだ、あなたの名前は？」

　いつまでもうさぎって思っとくのもね……

　友達になったんだし！

「私はラビよ。あなたは？」

「私はせりな！」

「分かったわ。セリって呼んで良い？」

「うん！」

　本当は月城芹奈（つきしろせりな）なんだけどね。

　こっちだとカタカナの方が良いのかな？

　うーん、まぁどっちでもいっか！