第5話 冷やし中華始めました

屋台開店から1ヶ月。この世界でも夏が来た。

スキルレベルも15になって作れる品目も2つ増えた。

1つは野菜炒め。こっちの野菜炒めとは一味違う

塩胡椒の質の差かもしれない。それと俺だけかもしれないが

とあるだしの素を入れているためなのか……?

勿論、肉入り野菜炒めだよ。


そしてもう一つが冷やし中華!夏と云えばこれだよね。

なので【冷やし中華始めました】ののぼりも購入済み。乗っける具材の種類で代金を変えようかと思ったが面倒なので常連客に試食してもらって好評だったもの1種類、代金銀貨3枚に決めた。


熱々のラーメンに代わり冷やし中華が超人気になった。

こちらでは、夏の氷はとても高価なので銀貨3枚でも大人気だ。

屋台前の広場にテーブルと椅子を置き、

そこでも食べれるようにした。他の屋台のお客さんも

使えるようにして許可も取った。

椅子、テーブル、日除けのパラソルの設置は俺持ち。

どの屋台も繫昌すれば嬉しい。

氷水は1杯銅貨5枚で販売する。これが一番売れそうな気がする。


20歳くらいの男性客が来た。冷やし中華を食べながら

涙を流して話してくれた。

彼も別の国の勇者召喚にクラスごと巻き込まれ、彼のレベルが 05だったのでクラス仲間に馬鹿にされて国を追放されたのだと言った。

ストレージと鑑定眼03が有ったので冒険者になって

薬草採取などで稼いで暮らしているそうだ。

暖かい季節はいいけど秋から冬~早春は薬草も取れず苦労しているみたいだ。

「ちょっと君のステータス鑑定してみてもいいかい?

「俺もレベル15で追放されたけれど実際は4桁だったから、

ひょっとしたら

君のレベルも3桁か4桁かもしれないからね」

「え、そんな可能性があるのなら是非鑑定してください。

「じゃあ鑑定」


★★★★★★★★★★★★★★


海野太一(うんのたいち)

20歳

レベル118

HP5000

MP3500

攻撃力1150

防御力1200

俊敏性A

筋力 B


召喚されて追放された者

スキル

 生活魔法 火、水、風、洗浄、消毒、乾燥

 攻撃魔法 火、水、風、雷


【言語理解読み書き会話】

【鑑定】   03

【ストレージ】02

ユニークスキル

【薬草採取】04

【自炊】  04


★★★★★★★★★★★★★★


「やっぱり君のレベルは118だよ、魔物の討伐経験は?」

「無いです。自分は弱いとおもいこんでたので逃げ回って

いました。

「確かに俊敏性がAだから速そうだね。運動は何かやってた?」

「テニス部でした」

「成る程。今度の水曜日俺と冒険者クエストをやってみない?

攻撃魔法も使えるようだし、実際にどれだけ戦えるのか経験

しておいた方が良いと思うよ」

「はいお願いします」

「はい、宜しく」(君の【自炊スキル】がどの程度の物かも

知りたいし)と内心で思っていた。



約束の水曜日。俺と太一は、

太一が魔物の討伐したことが無いとのことで

スライム狩りからはじめる事にした。


武器は剣。持ち前の俊敏性のお陰でサクサクスライムを

倒していく。スライム程度は楽勝みたいなので

次はホーンラビットと思ったがゴブリンが出てきたので

急遽ゴブリン退治に変更した。

1匹見つけたら30匹はいるゴブリン。36匹太一の

経験値になってくれた。

魔法も試そう。

オークが5匹居た。ウィンドカッターで難無く倒した。

「散々僕をばかにしたあいつらに似てたんでつい本気で

やってしまいました」

相当トラウマになっていたようだがこれで吹っ切れたに

違いない。ダイヤモンドのように硬いダイヤウルフが出た。

普通の剣では倒せないので俺がパンチとキックで

粉々にした。これは高く売れる。ほくほくだ。


昼飯は太一に袋ラーメンを作ってもらった。

「美味い!合格だ。俺の屋台で夜間のアルバイトをしないか?」

昼は魔物の討伐でもそこそこ稼げそうだがアルバイトでもっと

安定した収入が得られるだろうと提案した。太一は快諾した。

これで俺も1日11時間労働から解放される。ウインウインだ。

後はミチの労働時間を減らしたいのでもう1人バイトか正社員

が欲しいところだ。出来れば日本人の転移者か転生者

又は召喚者の従業員が……。

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