第4話 召喚されたその時

俺上杉浩二30歳は会社帰りにコンビニに寄った時

部活帰りの男の子3人女の子Ⅰ人のグループに会って

声を掛けた。その子たちは俺がコーチをしていたことが有る

空手部の部員とマネージャーの女の子だった。

彼らの足元が透明になっている異常に気付いた俺は

「おい!足元が透明になってるぞそこから出るんだ」

叫んだが遅かった。それだけじゃない俺の足元も透明に

なっていた

めまいがしてしゃがみこんだ。気が付くと石畳の

広い屋内に居た。

日本じゃない!直感的に思った。

高校生達もいた。

「異世界の皆様、我がルシアン王国の勇者召喚に応じて頂きましてありがとうございます」

(応じた覚えは全く無いんだけれど。高校生達を見ると

嬉しそうにしている。俺の知らない所で何かしらの接触が

有ったのかな?神様に会ったとか……)

王様らしき人がさっきからなにか言っている。

言葉は通じるが良く意味が解らない。

「ステータスオープンと唱えてみよ」

ステータスオープンと言ってみる。


上杉浩二30歳

レベル15


攻撃力05

防御力05

俊敏性06

筋力 10 

...

...

...

...


称号

 巻き込まれた者            

スキル

 【言語理解(読み書き会話)】

 【ストレージ】01

ユニークスキル  

   【自炊料理人 】 

   

 なんじゃあ 、このステータスの数字は !?

「国王が叫ぶ」

「【巻き込まれた者】ですからこんなものでしょう」

「こんな使えないものなどいらぬ追放せよ」

(ま、そうなるだろうね)


その時高校生の女の子 日田神加恋が言ってくれた。

「上杉浩二さんは私達の召喚に巻き込まれた方です。

謂わば被害者です。おそらくこの世界に来る前に

神様に会ってもいないと思われます、その様な方を

追放するというのであれば私も一緒に出て行きます」

「その時は僕も」「俺も」「僕も」

(みんなありがとう)心の中で感謝する。

「分った分った。それならば半年生きていけるだけの

金貨を与えよう。その間に何かしらの職に着いて

生きていくが良い。これでどうじゃ?」

俺に否やは無く、金貨60枚を貰って城を出た。

月金貨10枚で暮らせるということなのか分からないが

出来るだけ節約して生きて行こうと決心したのだった。

目に付いた宿に入って泊まる事にした。

1泊朝夕2食付きで銀貨4枚だった。素泊まりなら銀貨3枚

らしい。

部屋に入ってもう一度ステータス画面を確認すると

...と表示されていた所に新しい表示が有った。


魔力量∞

使用可能魔法

 生活魔法 火、水、風、洗浄、消毒、乾燥

 攻撃魔法 火、水、風、雷、etc

鑑定 01

敵察知01

防御シールド01

数字はレベルを表す。

メインのステータス数字は隠蔽数字。

実数字は+1000


つまり俺の実際のレベルは15じゃ無くて1015だった。

この国のステータス鑑定では下2桁しか表示出来ないらしい。

攻撃力SS

防御力SS

俊敏性SS

筋力SSS

に変わっていた。

可笑しいと思っていたのだ。

空手道では世界チャンピオンに到達した事もある俺が

こんなにも弱いはずが無いと。

国家間のなんだかんだでオリンピックは不参加になってしまったので空手から離れて実戦格闘技に転向したりして今は(召喚されるまでは)会社員だった。


【自炊料理人】をタッチしたら説明文が出てきた。

上杉浩二が自炊で作っていた料理の材料が毎日1食分無料で

召喚出来る。

但しストレージに保管した貨幣で好きなだけ購入可能。

スキルレベルがアップすると購入出来る材料が増える。

レベルを上げる為にはメインレベルを戦闘で増やすか

料理を作り続けるとアップする。


こんな感じで昼飯は河原か森の中で自炊してレベルを上げて行った。森の中だとスライムやホーンラビットゴブリンなどと遭遇してレベルアップに貢献してもらった。メインレベルは高すぎて中々上がらないが、戦闘での経験値はスキルレベルの経験値に移せるので

【自炊料理人】のレベルはあっと言う間に10までアップした。

有名店の冷凍ラーメンが買えるようになったのはこの時だった。


屋台の方は比較的客の少ない水曜日を定休日にして、その時に

冒険者登録してクエストをこなすことにした。

今のままだと労働時間が多すぎてブラック企業になってしまう。

早いとこ信頼できる仲間を見つけて屋台の仕事を手伝って貰おう。

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