第76話 蟻の巣攻略3

あれから数分経って私は、迷宮の奥で暫くぼーっとしていた。何せ真面に戦闘を慣れない対人戦それに多対一の不利な状況に加えて、此方よりも強い敵と言う事で、多分相手が私と言う吸血鬼の存在があんまり知られていない影響で、何とかなった感があるからもしも情報を知られていたら負けていたのは私でしょうね。


「さてとこれからどうしましょうかね~」


そう情けない声を漏らすが本当にこれからどうしようか迷っていた。何せ刻一刻と迫るあの水の魔法のクールタイムそれに、私自身が町を攻め滅ぼせるかの戦力計算その他もろもろをどうしようかと悩んでいたが吹っ切れて取り合えずは、蟻の巣を攻略しようと考えた。


「がまぁ今は良いですね取り合えず休もうかねぇ」


そうして椅子の上で暫く寝る事にする。忘れずにしっかりと結界を張りなおしたのを確認して、眠りに就く。


それから多分数時間ほど経って、起きたら敵襲も無く何にもない平和な空気が迷宮内に漂っていた。まぁ侵入者を殺したから緊張の糸が切れたのだろうと予測して、蟻の巣に行ってみる事にする。


それからちょっと歩いて、蟻の巣にたどり着き攻略を開始する。


それから玄関の部分はかなり楽に突破して、広場に出るところで魔法などを確認する。それは簡易結界を先ずOFFにしてその簡易結界のリソースをそのまま身体強化に入れる。


先ずさっきの戦闘で気が付いた事は、簡易結界は今の私には戦闘で無意識に展開し続ける程に余裕が無く防ぐときは、一瞬の隙が出来るからそれに使うくらいなら身体能力を強化した方が良いとさっきの戦闘で確信した。


それに今の簡易結界はある程度の攻撃は弾けても本当にある程度の攻撃で、私の攻撃が防げたのも私自身の攻撃だからと言う理由らしくて、魔法使いの攻撃を防ぐためにはかなり集中して、展開する必要があったからそうなるのならない方がマシだと判断した。


それから広場の所に足を踏み入れるとさっきまでの空気とは全く違う相手の領域に入り込んだのだと言う事を認識させられる程の威圧的な空気を醸し出していた。だけれどその程度で止まっていては目的も何も果たせないからその威圧感を無視して探索を続ける。


そうするとレッサーナイトアントが出てきて戦闘が始まったが、やはり無暗に結界で相手の攻撃を防ぐよりも今の私には再生力と身体能力でごり押しする方が強いと言う事でこの前までは素のパンチで傷を入れるのがやっとなアントの外殻を少しだが凹ます事が出来た。


そうなるなら身体能力的には問題は無いと判断して、<血槍波>を使いアントの外殻を貫く。まぁ今の私にはあれ位の相手ならかなり余裕を持って倒す事が出来るようになった。


「これも怪力のスキルのお陰だな」


そうして呟いた怪力のスキルは筋力を強化すると言うシンプルなスキルで、今現在そのシンプルな戦闘法を使っている私にはぴったりなスキルでかなり有効活用させてもらって居る。


それにスキルポイントも結構溜まってきたからそろそろ新しいスキルを習得してみようと思ったところだしこの探索から帰ったら新たなスキルを習得してみよう。


そんな考えを抱きながら蟻の巣を探索してみるが、何か嫌な予感がして、素早く隠密や忍足を発動して、隠れ壁に近づきなるべくバレないように息を殺しながら嫌な気配がした方を観察してみる。そうするととある名前が見えてみ来た。


<ナイトアント>


レッサーの上位種であり威圧感から誤解したけど今の私とどっこいどっこい程度の強さを持っている。先ずは種族を鑑定してみる事にする。


ナイトアント・レッサーナイトアントの上位種であり巣の警備と侵入者の撃退をするアント種でありレッサーナイトアントよりも全ての能力で上位互換である。


名前 無し

種族 ナイトアント


種族スキル

触覚Lv10.接続Lv5

戦闘スキル

強酸攻撃Lv3.剛牙Lv6.牙剣術Lv7.威圧Lv5.突進Lv7.魔蟲体術Lv5.外殻鎧Lv3.身軽Lv3.気配感知Lv3.

汎用スキル

演算処理Lv4.並列思考Lv5.計算Lv5.射出Lv3.知恵Lv2.暗視Lv3

生産スキル

掘削Lv5

耐性スキル

強酸耐性Lv5.物理耐性Lv3

スキルポイント 43


アビリティスキル

嚙み千切るLv5.歯軋りLv4


知恵?まぁ知能が上がるのなら警戒するに越したことは無いしあの敵は未知数な上に私は慣れない場所...ここは隠れて今日は帰りましょうかね。


そう考えながらあのナイトアントがどっかに行って、私は即座に迷宮に帰った。それから私は迷宮で自分の強化に励もうかと思っていた。


先ずは習得したばかりの怪力やそれに投擲や貫通等のスキルを鍛えようかと思って特訓を開始して、木にそれらのスキルを発動しながら投擲するを何回も繰り返していくと、それらのスキルレベルが上昇していった。


《スキル<投擲Lv3>が<投擲Lv4>に上昇しました》

《スキル<怪力Lv1>が<怪力Lv2>に上昇しました》

《スキル<貫通Lv2>が<貫通Lv3>に上昇しました》

《新しくスキル<槍術Lv1>を習得しました》


「<魔槍>」


その言葉で発動した魔槍の魔法は、これまでの魔法よりも若干強化してありそれに加え他のスキルにより強化された魔槍の投擲は、レッサーナイトアントの外殻を軽々貫く程の強さを持つ程の強さとなった。


「まぁ槍系列についてはこれで良いかなぁ」


そう呟きながら前の通り魔法以外の事に魔力を使う事を禁止にする魔力縛りで、蟻の巣の探索の続きをしてみる。因みに今の私は身体強化も発動していない純粋に素の身体能力で戦う事になる。

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