第75話 戦鬼と炎人

戦鬼...たしかあの町で発生したオーガ侵攻事件で首魁のオーガキングを討伐した事により鬼を切る戦士として戦鬼と言う二つ名が付いたのだと言う人物で、武器は大きく重さを感じる戦斧を武器として、筋力も相応に高いと聞く


炎人...アーミアからの情報では、高威力な火炎魔法を操ると聞きますそれに右手を火炎と同化することが出来ると言う超高度な魔法を使えるとか聞きましたしこれはまじめに勝てるか怪しそうですね。


パリーン


ほう結界が破られたか、だがまだ大丈夫だあの結界は所詮雑魚を足止めする位の性能しかないからな。


「ここが無名墓所...前来た時とは大違いだな」


「ええそうねだけどたかが無名墓所と油断しない事ね。今この迷宮ではどんな事が起こってるか分からないもの迷宮を守っていた結界はかなり薄かったけどそれでも油断しちゃダメよ」


「戦鬼に炎人よよくぞ来た。私がこの迷宮の主アイシス・テルメシアだ」


「ほう迷宮の主が入り口に待機してるって訳ね」


「そうねセオリー道理じゃ無いわねまぁそれでも倒すけど」


そう発言した炎人の言葉と共に火球を放って生きてそれは何とか簡易結界に阻まれたが肝を冷やす程の威力だった。その肝を冷やした内容は、この魔法使いが今まで戦った中でもトップクラスに強いと言う事だ。


「唯の火球でこの威力...この結界を破ったのもお前か」


「えぇこんな紙切れの様な結界なんて直ぐに敗れたは、それは貴方の周囲を覆ってる結界も同じよ」


そうして今度は火炎で出来た槍を取り出し撃ってきたと同時にこれまで動いていなかった戦鬼がこちらに走ってきて、斧を振り下ろしてきた。がまぁこの程度防げないで今この場に居る訳が無い


私の右手から血槍波を繰り出し火炎の槍の相殺して、戦鬼の斧には単純に簡易結界を複数枚作り出して、威力を減衰させて身体強化をした手で受け止める。


「ほう俺の一撃を防ぐとはかなりの使い手だぞ警戒しろよ炎人」


「貴方もね今の魔法かなり本気でやったのに相殺された」


「はっ作戦会議は終わりかそれならばこちらから行くぞ」


そうして繰り出したのは右手に魔刀そして左手に血液刀を発動して、二人に切りかかるが、戦鬼は斧の一振りで折られて、そして血液刀の方は火炎で蒸発させられた。


「私に液体で挑むなんて無謀も良い所と知りなさい」


「そのようだなまぁこれは所詮小手調べのようなものだ」


そうして次に繰り出したのは、超近接戦闘...つまりは拳での戦闘をする。何せ相手は結構本気で魔力を込めた魔法を軽く破壊したから先ず戦力的にはこっちの方が劣っていると考えさせられる。


「だがまぁそれを埋めるのが思索と言う物だ」


そうして戦鬼の床に落とし穴を繰り出したが軽くジャンプで避けられて普通に着地しそうになったが、その着地時を狩ろうと走り出したがそのすぐ後に、火炎による壁を作られて狩る事が出来なかった。


「あぁ貴方たちは本当に手ごわい」


「そうかそれなら嬉しいねぇそれじゃあ続けるとするか」


そう言葉の応酬を繰り返しながら私と戦鬼は戦うどうやら炎人が魔法を発動するまでの囮となったようだ。とわ言ってもこいつらに勝てる気が一ミリもしない何せ相手は、歴戦の猛者今までの戦闘もこちらの様子をうかがう様子だけで微塵も本気を出した雰囲気が無い。


それに簡易結界の維持に掛ける集中力も惜しいと言わざるを得ない程の戦斧回避するのが精一杯で、炎人の魔法を対処しようとしても丁度いい所で、戦鬼に邪魔されるのには苦戦させられる。


あぁ...面倒くさい


「<振り下ろし>」


そう戦鬼が宣言した途端に私を襲ったのは強烈な殺意と敵意が混ぜられたギロチンの刃が私に振り下ろされる様な気分が私を襲っている。そんな雰囲気の飲まれて、私はすっかり結界を展開する余裕すら無く回避が精一杯で、左腕を犠牲にすることで逃れる事が出来た。


「今だ」


「えぇ分かってるわ<家炎上>」


そう炎人が唱えた途端にこの部屋は火炎で覆われて、私は火炎によるダメージや火傷による負傷が起こって、炎人は続けざまに魔法を放った。


「<炎人化>」


そう唱えると炎人の左手は燃えだし火炎との同化...即ち炎人の奥義が発動したのだ。そんな手段を講じる相手に私は悩んでいた。それはこのままだと確実に負けると言う事そして、結界を解除する方が良いと言う考えだった。


今も私を焼いている炎それに炎人が近づきそして私の胸に触れるだけで胸は焼け焦げて、心臓にまで達しそうな事を感じながら私は、必死に思考を働かせて、一つの結論を出す。


「あぁ面倒くさい...本当に面倒くさい私自身が面倒くさい...もうこんな物にこだわる必要は無い」


そうして今まで発動していた簡易結界を解除して、先ずは切れた左腕を再生させて、その次は炎人により焼かれた胸を血液刀で切り出して即座に再生させながら残っている右手で、炎人の腹をぶん殴り後ろに吹っ飛ばす。


「バカな再生...だとそれに結界を解除?あいつは一体どんな種族なんだ?」


「ゲホッ...それだけじゃ無いわ今も再生中で、絶好の攻め時なのにこの体が動かない...まるで彼女が人間の天敵とでも言うかの如くにそれに謎の水系魔法今は警戒していないといけないわ」


「あぁなんで私はあんな邪魔くさい結界なんか張っていたのかまるで分からない今はただお前たちを殺す」


そうして私は即座に簡易結界などを維持するために消費していた演算部分を全て身体強化にのみ全てのリソースを割く。


「はっ」


そう言葉を発しながら先ずは面倒な炎人から固唾けるために即座に彼女らの脇を通り抜ける今の身体能力では、彼や彼女は私を止める程度に高い身体能力は無くそれにこんな速度で近寄られて、即座に魔法を展開出来る程に彼女は近接慣れしていないからか、心臓を抉り出すと言う攻撃を直ぐに決める事が出来た。


「まだまだ<炎人化>そして<全焼失>」


最後に炎人が発動した魔法の具体的な効果は分からないが私の全身を焼いていて、もしも私が再生持ちじゃ無かったら、焼死していたであろう事は容易に想像が出来る。


「...だがまぁ多少無理をしたが何とななるもんだな」


《新しく<火炎耐性Lv1>を習得しました》


そうして抉り出した心臓を高く持ち上げながら握り潰して、私の頭に血が掛かる。そして、私は戦鬼の方に目をやるとこっちは己よりも格上で炎人を殺され勝機が無くなったからか虚ろな目をしていた。


「殺せ」


そう呟くだけの機械と成り果てていた。そんな全てに絶望しきった男に私は興味が失せた。戦闘中の戦技を繰り出した時は、輝いていたが今はそんな輝きは見るまでも無く陰っていた。


「つまらんな...まぁ大方あの炎人は将来を約束した仲か?それとも既にそう言う仲だったのか?まぁ心底どうでも良いじゃあな戦鬼」


そうして彼の首元に噛みつき戦鬼の血を全て吸血する。あの炎人は体も何もかもが燃えて無くなったからこいつだけが収穫となった。


《スキル<吸血Lv2>が<吸血Lv3>に上昇しました》

《スキル<再生Lv1>が<再生Lv2>に上昇しました》

《スキル<体力回復Lv1>が<体力回復Lv2>に上昇しました》

《新しくスキル<怪力Lv1>を習得しました》


「あぁ...血が...とても美味い」

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