第74話 撤退

あれから暫く休憩したことで魔力も体力も満タンになって、漸く探索の続きに入れると思っていた時にそのメールは届いた。どうやら聖浄天神と言う一番最初に言われたが、悪逆天神を追い詰めたと思われる神からのお告げと言う形でのメールだった。


宛先 異界人の皆様

件名 聖浄天神からのお告げ


世界を己の箱庭とせん造物魔神からこの世界アールリアを簒奪してから始まった天神歴で数えて約2000年今この世界は再び造物魔神により侵略をされています。

そんな世界を救うべく私たち神々が転生させた存在が貴方達異界人であります。そんなあなた方に信託を下します。

それこそは造物魔神の侵略の拠点となる歪んだ迷宮これの排除と平定をあなた方異界人の最初の神命となるでしょうどうかあなた方異界人に悪逆なる神の祝福あれ


うん...?おかしいな


たしか最初に私と邂逅した時に発した悪逆天神の言葉は、うろ覚えだけど聖浄天神に敗れて力を極限まで削がれたと言われていたはずだけどその存在が悪逆なる神の祝福あれ?どう考えてもおかしい何か裏が存在するのか?


だがハッキリした事が一つだけあるその確信した事は、悪逆天神は何かしらの秘密を抱えていると言う事そしてその秘密は造物魔神に関わる事かも知れない単純に考えて、この場面で造物魔神と呼ばれる存在の侵略に悪逆天神の名を出す必要は全くと言って良いほど無いそれ以上に出す必要性は0だ。


だがそれでも聖浄天神...天神と言う階級が神の世界でどれほど高いのかは分からんが、それでも上位の神と思われる存在が出す言葉唯の戯言で済ます事すら出来ない程の発言...これは私にはまだ全て導き出す事は出来ないが一先ず暫くの目的は情報を握っているであろう悪逆天神の復活に決まりましたしこれは私自身の強さも極めないといけませんね。


そう考えながら私は、この蟻の巣の攻略を続けるが、これ以上の探索は危険だと私の新しく習得した予感が警報を全力で鳴らすが構っている暇は無いと一周して、探索を続ける。


そうして探索を続けているとこれまでの様な洞穴の様な感じとは一変して、大洞窟と言うべき巨大な空間が出来上がっている場所に出た。そうして私は確証するこれまでの探索は相手からすると玄関の様な物なのだと、そしてこれからがこの蟻の巣コロニーの攻略開始となる合図だと私は心の中で確証する事になった。


だがこのままではただ無暗に命を散らすだけだと一度撤退して、戦力を整える事にした。これから考える構想を実現するには時間が必要だそれも戦鬼だとか炎人などの存在に構っている程の時間すら惜しくどうした者かそう考えていると...。


この間飛ばしたハラルが帰って来たのだ多分アーミアだったか?それが情報を掴んだのだろうまぁ読んでみるか...



...そういう事か無名墓所と呼ばれていた所以それは、時間がたちすぎたことによる情報の喪失か...うん?だがおかしいそれなら何故私はこの迷宮旧アイルー王国墓地迷宮と言う名前を知っている?


これは迷宮管理を片っ端から見てみないと行けないなそう考えながら私は今から約3時間かけて迷宮管理の情報の全てを読み解いていく。


そうして分かった情報は。迷宮に属する存在はその迷宮に関するある程度の情報が得られると言う事だった。これまではゾンビ故に認知しづらく半死鬼共も正確には私個人の眷属と言う事でまだ迷宮の所属では無かった事も分かった。


そうして実験として半死鬼の1体の繁殖管理の個体と迷宮を接続してみるとその半死鬼は、迷宮に関するある程度の情報を得ていた。まぁ情報にもランクがありそのランクは私が最上位で、他は最下位にしてあるからその半死鬼は旧アイルー王国墓地迷宮と言う名前しか知らないがね。


そう考えながら私は迷宮管理の情報を思い出して、整理してみるが今の状況をひっくり返すような事が都合よく書いてあるはずも無くその方面での対処は不可能と断じた瞬間に私は迷宮管理でどうにかする選択肢を放棄して、私自身で侵入者を全滅させる方法にシフトした。


それを成すには魔力が必要だと考えながら私は今までの蟻の巣で倒したワーカーアントの魔力石5つと、レッサーナイトアントの魔力石1つとウルフの魔力石を噛み砕いた影響で、魔力がかなり増したがその影響で魔力操作に少し影響が出たのだった。


《スキル<魔力精密操作Lv1>が<魔力操作Lv10>に低下しました》


うん初めての事だな先ずは鑑定してみよう


魔力操作Lv10(魔力精密操作Lv1)・一度に大量の魔力石を摂取して、魔力量を増やした影響で、魔力操作に一時的にマイナス補正が掛かっている


これはむやみやたらに魔力を増やしたら危険と言う事だろうなまぁ仕方がない今は並列思考で魔力関係のスキルを伸ばしながら魔法の作成に掛かろうかね。そう考えながら私は、部屋に置いてる椅子に座って魔法を新しく作成する準備に取り掛かる。



それから日にちを置いて、数日新しく魔法が出来てその出来栄えにもかなり満足していた所だった。


1つ目は、簡易結界ⅡまぁⅡの部分は分かりやすくするためだが、この前まで使っていた簡易結界以上の効果を発揮して、尚且つ魔力の消費ロスもこれまでよりも減らしたがそれ以上に魔力の消費が増えたが魔力が増えた影響で魔力回復力も増したから大丈夫になって、これは魔槍の攻撃を凌ぐ程度の強度は有る


2つ目は、身体強化でありこれまでの様な魔力を纏うだけのなんちゃって身体強化じゃ無く正式に魔法陣を介した魔法でありその効果は今までの私の素の身体能力では貫くどころか傷をつける事すら出来ないナイトアントの外殻を傷つけることが出来てこれも魔力消費を計算した結界常時発動が可能になった。


3つ目は、血槍波でありこれは投擲のスキルを応用して、あのアントが使っていた酸攻撃に射出を組み合わせることで飛び道具としていたのを真似して、血液魔法と言うか魔法の特性上その魔法の主がる程度操る事が出来るがそれに投擲を組み合わせることで強力な魔法となってナイトアントの外殻を貫ける程の威力になっている。


その他は血槍波を操るために投擲や命中率を上げる命中と言うスキルなどを鍛えて、剣術なども鍛えていた。


それと最後に魔法じゃないけど魔法の資料を読み漁っていたらどうやら詠唱と言う技術が有るらしくそれは、呪術の何かを呪う為に何らかの対価をと言う物の一部を流用して、詠唱と言う隙を作る事により魔法の強化...所謂魔法の威力の向上や自身の実力に伴わない強力な魔法の発動の補助等が有ると言う物らしく、現実世界で無詠唱が凄い詠唱は未熟者、的な小説を見たことが有るがそんなものじゃ無く、魔法の詠唱をしないのは未熟者の証として、魔法使いの殆どは詠唱する程の余裕すら持てるようになれと言う教えがあるらしい。


まぁ私には関係ないなだって私の実力で詠唱を許してくれる実力者なんていなそうだし私的には、詠唱はその魔法の特徴を伴った詠唱じゃ無ければダメと言う事で、私程度の実力だったら魔法の特徴が知られれば死ぬ未来しか見えないから詠唱は、見なかったことにする。


まぁそんなこんなで、暫く魔法の作成や魔法の実験それに加えて蟻の巣の玄関の位置で狩りと言う生活を数日続けていた時にそいつらは来た。

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