第73話 蟻の巣攻略2

あれから何度か蟻の襲撃に会いながらも攻略を進めていたが何かがおかしい事に気が付いた。それは気配感知があんまり機能してない事に今気が付いたのだ。


私の場合この間習得したばっかりで、まだ並列思考による情報処理に慣れていなくて、気が付かなかったのと、吸血鬼ゆえか元々の気配を察知する技術が備わっていたのか、気が付かなかったがこの蟻の巣に入ってからと言う物の気配感知がお粗末になっていたのだ。


まぁそれでも戦闘能力に変わりはなく魔力も問題なく扱えるため多分問題は、蟻の巣と言う今まで経験した事のない環境であり迷宮などとは違いそこに自然にあるものだから周りが土で覆われてる環境に慣れていなかっただけだろうと思う事にした。


けれどそれ以外にもおかしい事が有りそれは、ワーカーアント以外の的に合わない事でありそれに加えて、敵も一体一体で来ると言う現実の蟻の巣に比べれば数が少なく思っていたのだ。


「うん?また新しいワーカーアントか?」


そうして思っていたが今までとは違う敵の感覚であり嫌な予感がした、あの迷宮のボスであるリッチいや鮮血君主と思われる魔物以来の緊張感が走った。今さっき気配感知があんまり働かないと言っていたのにこの的には、全力で警報を鳴らしてるのが理解させられる。


《新しくスキル<予感Lv1>を習得しました》


それは...この敵は鮮血君主以来の強敵だと言う事だ。


「ここはこれを使うか」


そうしてポケットから取り出したのは、これまで強敵と言える敵は居ずにこれを使う程の的に巡り合う事もなく私自身も忘れていたものであるソルランの指輪であった。


「これの初陣には相応しい強敵の感覚...」


そうして出てきたのは今までのアントの様な茶色い外殻では無い黒色の外殻でありその外殻は自分から見ただけだが魔力補助なしの爪だったら幾らやっても叶わないだろうと思っている。


名前 無し

種族 レッサーナイトアント


種族スキル

触覚Lv7.接続Lv3

戦闘スキル

酸攻撃Lv7.剛牙Lv3.牙剣術Lv3.威圧Lv2.突進Lv2.魔蟲体術Lv2.外殻Lv4

汎用スキル

演算処理Lv3.並列思考Lv2計算Lv5.射出Lv1.暗視Lv2

生産スキル

掘削Lv5

耐性スキル

酸耐性Lv6

スキルポイント 33


アビリティスキル

紙千切るLv3.歯軋りLv2


称号

<女王の眷属>


これはやはりスキル自体は多くないがそれでも感じられる高い魔力それに加えてアビリティスキルそれにいくつかのスキルが上位になっているこれは油断できな...


そうして考え事をしている間にアントはこちらに突進してきて、咄嗟にそれを回避したがスピードが段違いで、左腕を持っていかれたがそれだけで相手がこっちに向き直している間に、指輪を嵌めて、魔槍を発動し投げ槍の方式で投げてみるが...。


《新しくスキル<投擲Lv1>を習得しました》


やはりと言うべきかあんまり聞いた様子は無くただ怒らせるだけとなり試しにここ最近出来るようになった魔法の同時発動を魔弾で試してみたがこれは外殻の効果のせいで、あんまり効果は無い。


「ここは魔法で決めたかったが魔法は無理か...そうなるとやはり近接か」


そう呟きながら近寄ったが、そのすぐ後に私の中の何かが全力で警戒を鳴らしてそれに従うように後ろに回避したがそれは正しかった。あのワーカーアントは達は使ってこなかったが酸攻撃と射出のスキルの組み合わせによって、私の皮膚は溶け落ちた。


そんな恐怖心を煽る相手に私は、こいつに勝てるのか?私は負けるのではないか?この蟻の巣に喧嘩を売ったのは間違いだったのは無いか?


そんな世界がひっくり返る程の恐怖心と、警戒心で私は膝から崩れ落ちてしまったが、今の私に動くと言う選択肢は消えていた。


シュ~ジュワ~


そうして敵のアントは私に向かって再度酸を射出する攻撃を食らわせて私を倒そうとするが私自身の再生のスキルのせいでこの程度の酸攻撃では直ぐに再生してしまう事により私に激痛が常に走っている。


「あぁ~イタイイタイもう死にたい」


幾ら痛覚を低くしているからと言っても私自身に痛覚が無い訳では無く敵の酸攻撃に恐怖心と痛みにより動けなかった。そうしている間にも蟻は近寄ってきて、その鋭い牙で私の胴体を貫く攻撃をして来た。


グチュグチャズチャッ


「アァ嗚呼ァア~痛い痛い痛い痛いくそっどう...すれば...」


体力事態もどんどん低下してきて、死ぬのももう数えるところだなと思っていたころにその音声は聞こえた。


《新たにスキル<威圧耐性Lv1>を習得しました》

《スキル<威圧耐性Lv1>の効果により相手スキル<威圧>の効果をレジストします》

《レジストが成功しました》


あぁ...威圧...ねぇ...


「本当に思考が冴え渡るさっきまでの恐怖心が嘘の様だあぁそうだなぜ私はこれほどまでに恐怖していたのだ?そうだ私は吸血鬼...恐怖を齎す存在であって、断じて恐怖する存在ではないそうだそうだあぁなぜ私はこれほどまでに恐怖に囚われていたのだ?」


「ギッギギッ」


相手の蟻が私が動いたことに驚いたのかちょっとだけ後ろに下がった隙を付いて、逃走のスキルを使って逃げてそのまま拳撃等の一撃を強化するスキルを全力で使い尚且つ魔力での強化も魔力が空になる勢いで強化して、爪で蟻を貫く...。


「ギッギギッ」


敵の蟻の体はあんまり動かなくなり多分今の一撃で内臓がやられたことで、致命傷を受けたのだろうまぁ私自身も体力回復が無けりゃこうなっているのは私の方だったが、だがまぁこいつは手ごわかった。


「さてと最後の止めだ」


そう呟きながら敵の蟻の頭めがけて蹴りを放つ


《スキル<格闘Lv3>が<格闘Lv4>に上昇しました》

《スキル<体術Lv5>が<体術Lv6>に上昇しました》

《スキル<逃走Lv1>が<逃走Lv2>に上昇しました》

《スキル<無属魔法Lv1>が<無属魔法Lv2>に上昇しました》

《新しくスキル<酸耐性Lv1>を習得しました》

《新しくスキル<貫通Lv1>を習得しました》


「はぁ一先ず休憩だなぁしっかし疲れたぁ~」


そう呟いてその場に倒れ伏す事しか出来ない程に疲れ果てていたそれもその筈今までで一番のピンチだったからだけどまぁ勝ててよかった。


「私こそが吸血鬼恐怖を促す存在...」

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