第59話 迷宮守護

が、運命は私に味方しなかった。


「能力低下」


そう補助使いが言った途端に私の身体能力などが下がりその隙を付いて、大剣使いが私の胴体を真っ二つにしようとしていたのを、何とか回避のスキルで、避けることが出来て腕を失うだけで済んだ。


「もう戦う事は出来ませんよね。

一先ず話を聞いてください僕たちは貴方を害そうと思いません。その傷の今なら何とかなりますから」


そう補助使いが言いだしそれと同時に片腕や足が動かなくなり、私はまるで罪人のように彼らの前に座ることになった。


「これは」


私が驚いてそう呟くと彼は喋った。


「これは捕縛魔法こういう時には使えるんですよね」


そう呟いた声からは若干の油断が見える彼らも疲れているのか、座っていた。


「甘いな」


そう私が喋った途端私の腕は微再生と体力回復によって、再生し彼らが驚いた隙に今の私が出せるありったけの魔力で、魔壁を作り出しその間に魔槍を作り出し敵に投げる。


これは所詮気をそらす手段でしかない今ここを脱出するために必要なのは、拠点の防護だからこそ今の私が出来る限り最速最高の結界魔法を発動させる。


そこからの作業は、魔壁を維持しながら広域結界を発動させるという同時作業に脳が悲鳴を上げるのが分かった。


《スキル<並列思考Lv1>が<並列思考Lv2>になりました》

《スキル<演算処理Lv1>を習得しました》

《スキル<演算処理Lv1>が<演算処理Lv2>になりました》


スキルの幾つかが上昇するのが聞こえるがそれに耳を貸す程私の脳に余裕が有るわけじゃない。


魔壁の維持それに時折攻撃を挟むことによりかく乱それと同時に、広域結界の発動それらを同時発動するという行為は、魔法に精通した存在なら造作もない事だろうだが私はまだ未熟であるがゆえにこれが限界だが今の私にできる最高の物を。


その一心でやっと発動した広域結界は不細工で、応急手当と言うのが正しいがこれ位の相手から守るのはどうと言う事は無い。


それから彼らは、この結界を壊そうとしたが、壊すことは出来ずに去っていった存外彼らは冷静で油断ならない存在らしい。


「魔力の消費がキツイ」


広域結界が発動したから魔壁などの魔法や簡易結界なども発動を停止しているが魔力がさっきからガンガン減っているこれは早急にどうにかしないと行けませんね。


それから私は最高速で迷宮に帰り魔力石を広域結界を同調させて、この結界の維持には、本来町で使うはずの魔力石を使ってこの迷宮を隠す事にした。


そこから魔力がまだ回復しきってなく、疲れが出ている身で即座にさっきは勢いと消費魔力を増やすことで何とか発動させていた、広域結界の安定化と範囲の設定それから隠密結界を発動させてこれを魔力石に同調させることで今の所は迷宮を隠す事が出来た。


が事はそう簡単では無い何せこの魔力石は本来家程度のサイズの結界を維持するためのもので広大な迷宮の結界を維持するようではないのだ。


本来ならば迷宮核の魔力を用いることで結界を発動せるがこれは今望めそうになく自力で頑張るしかないと言ったところだ。

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