第37話 他者との交流
あれから暫く路地裏で様子を見て衛兵が慌ただしく走り回っているのを見て多分顔も割れていると思っている。
何せ会話を盗み聞きしていたら衛兵殺しの犯人は、長身で赤い長髪の女だ。
とかいう声が路地裏にも聞こえてきて多分暫く不用意に路地裏から出る事は出来ないだろうと思っていた。
となるとこのゲーム内にあるかは分からないけど、闇ギルド的な施設があるかもしれないしそれにいざとなれば本気で森に逃げてその後考えればいい事だし取り合えず広場や大通りには出ないで裏の人間が集まるような場所が無いか探してみましょうかね。
それから1時間くらい路地裏を探索していたら所謂スラム街の様な場所に出てこれまでの曲がりなりにも舗装されていた道から一変土むき出しで家は適当な木や廃材を組み合わせた何とも質素としか言いようがないと言うか質素以上にボロすぎる所に出た。
そこに居る人々は痩せこけていて、肉は無く骨と皮が目立って私たちプレイヤーが最初に来ているボロ布のシャツと言ってもちゃんと服と認識できるものに比べたら遥かに劣っていて服と認識できない様な、袋に穴を開けてそれに袖を通しているような感じの人間が集まっていた。
私を直接害する力が無いのかあいてから襲っては来なくここいら周辺を魔力探知を用いてあるていど観察してみたけれどこの周囲のスラム街の人間は初期のゾンビにも劣る魔力しか持っていなくてそれ相応に力も低いと感じた。
まぁ地下の住人を覗いてね。
どうやらこの町の地下には下水道が張り巡らされているらしいそしてそこには不自然に魔力が集まっている場所が有ってこの感じは人間が居ると確信した。
どうやら地下の下水道に表には出せないようなヤバい取引をしている所があるらしい まぁ私の場合は、衛兵殺しで十分入る資格は有りますしそれに情報収集もしたいですね出来れば身分証明書が作れる場所と方法・そして他の町や魔物の分布などについてある程度知りたいですしね。
そんな事を考えながら私は、下水道の地下に入る為の入り口現実で言うならマンホールを探していたら直ぐに見つかりそこをそーっと開けて入るとやはり案の定悪臭がきつかったけどそれでもゾンビの匂いよりはマシと思い探索を続けた。
そうしていると直ぐに人が数人で喋っている所に出て一先ず会話を試みてみる。
「少し良いかな?
効きたい事が有るんだけど」
「何だい姉ちゃんここはあんたの様なお綺麗な人物が来るところじゃねえぜ」
「そうだそうだだが姉ちゃんがここがお似合いの人間なら俺たちの仲間だ」
「そうだぜ姉ちゃん先ずは何をしたんだ俺らも話すからさ」
そうして3人が代わる代わる喋って私はちょっと呆気にとられた。何せ私のイメージだともっと悪い感じの人間が集まるようなイメージを持っていたからだ。
「私は衛兵殺しですかね。
皆さんは、お気づきではないでしょうけど私は吸血鬼悪逆なる神の眷属故に止められそこで衛兵を殺してここに来ましたね。」
「イメージと違って随分あれな人だなだが安心してくれここに居るのは神の祝福を受けられずに腐っていった連中や姉ちゃんの様に人以外の化け物が混じって追われた連中がいるんだ安心しな」
そうした会話で私は思わず純粋に疑問に思い浮かんだ事を口に出す。
「皆さん随分と落ち着いているのですね。
失礼とは思っていますが私はてっきりもっと野蛮かと思いました」
「まぁ当然だわなここに居るのはそういう奴らから逃げてきた臆病者の集まる所だがな」
「姉さんが思っているのはこの下水道街だとウルフバングかシームルズだな」
「あぁそうだそれも説明しなきゃいけねぇなぁここには3つの集団が睨みを利かせてるんだよ
先ずはさっきんぽこいつの会話で出たウルフバングこいつらはどうやら他の地域のヤベー連中の下部組織でここいらの下水道街の支配を望んでいるんだと
そしてシームルズはこの町に昔からいた連中で奴隷の売買や薬や殺しとほぼ何でもやるとお墨付きの奴らでこの組織にウルフバングの連中が喧嘩を売ったことで対立が始まったんだとさ
そして最後に俺らが入っているタートルナルここはまぁ簡単に言うなら神様に顔向けできないような事をヤラカシタ連中や神に見放された存在なんかが集まって出来た所で主に悪い連中に対しての健全な商売をして中立を保っている」
「まぁこいつが長ったらしく説明したけどこの三つ巴の状態でウルフバングとシームルズの抗争が表の世界に影響が出ない様に俺らが睨みを利かせてるんだ商売と数ではこのタートルナルが一番だからな」
「そう言う事だ姉さんも組織に入るならよく考えた方が良いぜまぁ姉さんみたいな綺麗な人が俺らの組織に入ってくれれば即紅一点だな」
「そういう下世話な話はよせ」
この人物達のやり取りを見ていると面白くなり私は自己紹介をしようと決意した。
「姉さんなどでは無くアイシスと呼んでください」
「そうか宜しくなアイシスア因みに俺の名前はダストンだ宜しくな」
最初に私の吸血鬼と言う事を重く受け止めずにそんな奴らはここにたくさんいると教えてくれたのはダストンという人物だった。
「おっじゃあ俺も宜しくなアイシスそして俺はカスト俺はデブだけど動けるデブだぜ」
そう面白く自己紹介をしてくれた人物は、組織の事を詳しく教えてくれた人物だった。
「最後に宜しくなアイシスそして、俺の名前はマスラだ宜しくなアイシスそして仲よくしような」
こうやって距離を直ぐに距離を縮めてきた人物の名前は、マスラと言い私を紅一点になれると褒めてくれた人物だ。
まぁこの見た目には案外こだわって時間が掛かったから褒められるのは初めてだし結構うれしく思う何せこれまではアンデットと即敵になった衛兵と真面な人物が居なかったからだ。
まぁそのうちの衛兵は私が即殺して逃げたからに他なりませんけどね。
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