第11話 盗賊2
そんなこんなで雨季もあけ、また晴れ間が出てきた。さて北の方を目指すか。
「次はどんな街でしょうか?」
「のんびりした街だといいがな」
「そうですねぇ」
「ダンなぁ、通行証」
「お、あぁ」
マシィが旦那と言ったのはそういう設定なのだろうな。
北に向かってパカパカとのんびり走る。
「マシィ止まれ」
「ヒヒーン」
ゾロゾロとまた盗賊どもが出てきた。
挟み撃ちしようとしていたのでその前に止まってもらった。
外に出てリリ、ラムが殺して行くので、俺も先の方の奴らの動きを封じてアジトを吐かせる。
リリ達にここを任せて一人でアジトに向かう案内人はプルプル震えている。
「敵襲だあ」
と叫ぶから“ザン”と首を斬った。
後ろから出てくるでかいのが親分か?
「おうおう!なんだこのおっさんは!」
「おまえもな!」
スピードにまかせて首を斬るが、ガードされた?
「ワシの首が欲しいか?やらねぇよ!」
「フリージング」
「なっ!」
へぇ、首を守る防具な!
腹を突き刺して殺す。
他の奴らも逃げれないようで全員の首を斬るとアイテムボックスに入れる、カードも探して入れておく。
アジトの中に入ると奴隷が二人、男の子の奴隷だ。仕事をしていたみたいでびっくりしている。
「あぁ。こいつらの金目のものは?」
「こ、こちらです」
「サンキュー。じゃあ奴隷を解除してやるよ」
俺は祝詞を唱えて解除してやる。
「ほ、本当に消えた!」
「やった!俺らはもう自由だ!」
「自分に合ったやつの服を着なよ、防具と武器もな」
「「はい!」」
「お前ら名前は?」
「赤毛の俺がサンです。で青い髪のがウェンです」
「そうか、俺はカイトだ」
「「よろしくお願いします」」
「おいおい。奴隷じゃなくなっただろ?」
「でも、恩を返したい!」
「俺もです」
二人は本気な目をしていた。
「わかった。二人とも連れていこう」
「よし!頑張ります!」
「ぼくも!」
馬車を二人とも操れるので盗賊の馬車をもらって下に降りて行くとみんなが駆け寄ってきた。
「その子達も奴隷?」
「だった、サンとウェンだ」
「よ、よろしくお願いします」
御者はこの二人に頼むから。
盗賊はまとめてあったのでカードを探して首を斬って行く。アイテムボックスにいれるだけだ。もう殺しても吐くことはないな。
「よし、んじゃもったいないから盗賊の馬車も待ってくぞ」
「はい!」
馬車2台で峠を越えると街が見えた。
門兵に盗賊を退治したと伝え、ボスの首を差し出すとザンギ盗賊団と名の知れた盗賊らしい。
んで前の如く二、三日かかるからとここの街に滞在する。大部屋一つと四人部屋一つ借りて大所帯だな。
「あの子達も奴隷だったんだ、だから仲良くしてやれよ」
「「はい!」」
サンとウェンは良い子だな。十八とまだ若いし、マシィと同い年か。
クリーンをかけてやって風呂に連れて行く。流石に自分で洗わせてゆっくり湯船に浸かる。ここが風呂付きでよかった。
上がるととりあえず飯を食わせる。
まぁ全員だがな。
「サンもウェンも飲んで良いんだぞ?」
「僕達は飲まされすぎて酒はちょっと」
「そうかラムみたいに酒好きだったらよかったのにな」
ラムはうまそうにエールを飲んでいる。
「まぁ、おれもそんなに飲めないしな」
「そうなんだ」
「ラムはの飲みすぎ注意」
「あははは」
涙を溢しながら笑っているサンとウェンはよつやく解放されたんだもんな。
ベットで寝るとうなされているサンとウェンはまだ心のケアが必要だろう。
「ほれ好きなの買いな」
連れてきたのは服屋だ、いつまでも盗賊の服を帰させていたくなかった。
「私達がコーディネートしてあげる!」
マシィやリリが張り切って、着せ替え人形になるサンとウェン。
まあ、二、三着買ってブーツも新品を買った。武器と防具は合わせてもらうだけでいいと言ったのでそれで済ませた。
別に遠慮はしなくていいのにな。
バックも買ってやり、マジックバックにしてやったら驚いていた。
「こんなに良くしてもらって、ありがとうございます」
「まだ、ギルド証が残ってるだろうが」
「「はい!」」
ギルドにやってきて会員なると二人とも嬉しそうにしていた。
外に出て実践をするが二人ともまあまあの出来だ。ファングボアにちょっと苦戦するが二人でなんとか倒していた。
魔法の本を読ませて魔力循環から覚えさせる。
なかなかできないみたいなのでリリと一緒で勝手に動かしてやったらできるようになった。
魔法を覚えることができるのはスクロールを使うか貴族だけらしいので感激していたが、暇な時は本を読むようにと言った。
サンは火魔法が得意になりウェンは雷魔法が得意だわということがわかった。
二人とも活躍して立派な冒険者になれれば俺の手から離れるだろう。
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