第7話 祝詞


 その後奴隷商が切り刻まれていたらしいが知らぬことだ。

 5000万ゴールドあるがこの子達を救えない!

 奴隷術の本を読み解いて行く。上書きならどうなるんだ?試してみたいがそれで苦しむこの子達を見るのは嫌だな。

「ご主人様。私たちなら大丈夫ですので、試したいことがあったら試してください」

「………奴隷紋の上書きをさせてくれないか?」

「はいよろこんで!」

 俺はこの子達を救うんだ!だからこそいまじゃない!

「いや!こんど盗賊を捕まえた時にでも試してみるよ!」

 そうだ。悪人で試せばいいだけだ。

「そうだ。そのご主人様はやめてくれないか?カイトでいい」

「カイトさまですか?」

「そうだ。後名前があるなら教えてくれ歳もな」

「私はリリです二十歳です」

 金髪のロングヘアで綺麗な子だ。

「私はラムです同じか二十歳です」

 茶髪でショートヘアの活発そうな子。

「私はマシィ十八です」

 赤毛の髪を結んでいる元気な子。

「私はナナ十五です双子の姉です」

 水色の髪の可愛い子。

「私はキキ十五で双子の妹です」

 ピンクの髪のロングヘアの子。

「わかった。御者ができるのがリリだな」

「はい、あと双子のナナとキキ」

「「はい」」

「リリと同い年がラムで、マシィが十八な!」

「そうです」

「で俺がカイトで42歳だ」

「「「「「え」」」」」

「え?」

「いやもっとお若いかと」

「いやただのおっさんだ。だから夜伽もなしでいい。これからは仲間として扱って行くからな」

「「「「「はい」」」」」

 とりあえず少しは戦えるようにしていかないとな。

 武器は使えるか?

「リリとラムは使えます!マシィは?」

「私は全く」

「「わたしたちも」」

 そうか、戦闘にも慣れてほしいところだが二人いれば十分だな。

「リリとラムは獲物はなんだ?」

「私が剣でラムが弓です」

「よし、じゃあ、防具と武器を見に行こう」


 防具と武器を揃えてやった五人分。

 マシィ、ナナ、キキには短刀を持たせてある。

 この街は何かと嫌な思い出しかないからさっさと行くか。

「よし、リリよろしく」

「はい」

 俺はリリの横に乗って御者の訓練だ。

 最終的にマシィに御者のを任せたいと思う。

「海斗さん後ろから」

 フォレストウルフか、

「ファイヤーアロー」

 先頭を倒したらあとの集団はストップしてしまった。

 馬車の旅はけつが痛くなるな。

「大丈夫ですか?」

「あぁ、『ヒール』良くなったよ」

「リリにも使うか?」

「お、お願いします」

『ヒール』

「ありがとうございます」


「リリは元冒険者か?」

「はい、ラムと他のメンバーとパーティーを組んでました」

「それがなんで?」

「仲間に裏切られたんです。それで奴隷落ちしまして」

「仲間はどうなった?」

「最後の抵抗で首を掻っ切ってやりました」

「そっか、復讐は果たせたんだな」

「はい」

「マシィそろそろ変わろうか!」

「はーい!」

 俺が荷車に行くと三人並んで寝ていた。

 そーっと、起こさないように行くがラムが起きて目があってしまうが、しぃー!と指を口元に待っていって起こさないように座った。



 次の街に着いたのは夕暮れ時だった。

 一応俺の奴隷ということで五人は5シルバー払って通ったが普通にしてる分にはわからないはずだ。

「そこのやどはだめですね、あっちにしましょう」

「なんか違いがあったか?」

「男が立っていました、そう言うところは密会などで使われるということですので」

「へぇ、物知りだな、なんか間違ったことしたら言ってくれよ」

「は、はい」

 宿屋に入った俺たちは大部屋一つと一部屋借りてくつろいだ。俺は呪術の本と睨めっこだ。

 どうして結婚したらなくなるのか?それがわからばいいんだがな。

“コンコン”

「リリです」

「ちょうどよかった!結婚って何をやるんだ?」

「祝いの儀をやりますね」

「なにか特別なことは?」

「僧侶さまが来て呪文を」

「それだ!」

「僧侶の本なんか売ってるかな?」

「多分ですけど魔法屋に」

「だな!明日行ってみよう」

「あ。ご飯の時間です」

「そうか。みんな呼んできて」

「はい!」


 みんなが揃うとちょうど定食が置かれる。

止まんな俺が食うのを待っているのか、俺が食べ始めるとみんな黙々と食べ始めた。


 次の日は魔法屋に行き僧侶の使う本を買った10万ゴールド。今の俺には安い安い。

そこには祝詞が載っていてそれが解呪につながっているんだと思う。そして、結婚しなくてもそれは効くはずだ。と言うことはだ。

「教会にいってくるから」

「はい」


 教会に行って寄進をし、神に告げる。

「僧侶の祝詞は解呪の力がありますね?」

『あります、でも』

「でも、結婚しないと意味が無い?」

『そうです』

「そんなわけあるか!あほか!」

『な!』

「人間の決め事だからってなんでもさせちゃダメだろ?」

『それは』

「逃げ道がいるんだよ!どんなやつにもね」

『分かりました、認めましょう、祝詞には力があります』

「よし!」

『あなたは奴隷を解放して行くのですか?』

「俺に関わったやつだけな」

『分かりました』

 これであいつらを普通の子にさせてやれるぜ!

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