第6話 奴隷紋


 夜中に一人入ってくる気配がしたので起きると奴隷の子だった、夜伽のことを聞かれたがそんなことしなくていいと言って寝なさいと帰した。

 奴隷ってそう言うことなんだよな。

 考えさせられる。

 翌朝はよく晴れていたので散歩日和だと思いながら奴隷紋の事を聞いたら捨てられると勘違いした子が泣き始めた。

「ちがうぞ!捨てるんじゃ無くて奴隷紋を消す方法をだな」

「あのご主人さまは奴隷をお知りにならないと思いますが奴隷は奴隷紋がされた時から奴隷なんです」

「は?じゃあ解放はできないのか?」

「解放はできません」

 なんじゃその制度は?ありえないだろう!王様が奴隷紋つけられたら終わりじゃないか!何かしら方法があるはずだ。

「何か方法があるはずだ」

「あ、あるにはあるのですが」

「なんだ言ってみろ」

「奴隷と結婚したら奴隷紋は消えます」

「…教会はどこにあるんだ?」

「えっとそちらに」


 教会に寄進してから神に祈る。

「なぜ奴隷者が消せないのだ?」

『それは人間が作ったルールなので私にはなんとも』

「消せる魔法をくれ」

『それも出来ません』

「出来ないじゃなくてするんだ」

『では結婚を』

「それ以外でだ!」

『ありません』

「オレじゃ先に死んじまう」

『一度消えたら次つくことはありません』

「なら離婚すれば」

『そしたら戻ります』

「そこをなんとかしてくれよ!」

『なりません』

「奴隷紋は誰がつける?」

『奴隷術師が』

「なら外させることができるだろ?」

『同じ奴隷術師ならもしかして」

「くそったれ!」

 俺は教会から出るとみんな着いてくる。

「よし。俺がお前たちの婿さん探してやるからな!」

「えっ!」

「そうすればその胸にある奴隷紋も消えるだろ?」

「そ、そうですが」

「だから心配すんな!俺がなんとかしてやるからな!」

 こんな子達が他にもたくさんいるんだ!奴隷制度なんてクソ喰らえだ!

「後お前たちに奴隷紋をつけた奴らを知ってるか?」

「顔は隠されていたので分かりません」

「そうか…魔法屋を見に行こう」

「それではこちらに」

「よく道知ってるな!」

「ここが生まれ故郷だからです」

「親は?」

「殺されました」

「すまない」

「いいんです。いま私幸せですから」

「クッ」

 こんな普通のことなのにか!何が奴隷だ!


 魔法屋に着くと直ぐに

「奴隷術の本はあるか?」

「あ、ありますけど」

「いくらだ?」

「10万ゴールドです」

「よし、買うから」

 これを勉強して逆転させてやる!

「呪術になりますのでそちらの本は?」

「いる!」

「10万ゴールドです」

 20万ゴールドしたがそれでもいい。

 この子達を普通に戻せるなら。


 それから三日かけて呪術の本を読み終えた感想はこれは厄介なことになりそうだということだ、呪術のの基本は呪いだ。呪いを解くには呪詛返しをすることなる。相手に呪いを返す方法だ。だが失敗すれば命の危険も伴う。

それじゃダメなんだよ!

根本から変えないと!


 呼び出しがあったので行くと報奨金に   

 1500万ゴールドもらった。

「これはかなりの懸賞首だからな!あとは懸賞金だが」

 2500万ゴールドの懸賞金だ。

 合わせて4000万ゴールドか、やったな!

 あとは奴隷商が来ているがどうする。

「少し話をさせてください」

「いいだろう」

「いやぁ、5人もの綺麗な奴隷ですねぇ」

「奴隷紋の解き方はどうすればいい」

「奴隷は奴隷ですそれ以上の価値はありません」

「ふざけるなよ!奴隷にだって人の権利があるんだよ!…邪魔したな」

「おい、あいつを殺せ」

「は!」

『フリージング』

「誰が誰を殺すって?」

「いやあのその」

「どうしましたか!これは!」

「こいつらは俺を殺そうとしました、殺していいですよね?」

「ま、まってください」

「奴隷商のコビー?お前は殺そうとしたのか?」

「…はい」

「賠償金は?」

「払います」

「他の奴らの分もか?」

「はい」

「これでいかがですか?」

「いいでしょう、一人1000万ゴールドで」

「なっ!そんな理不尽な!」

「人の命には金はかけられねえよな?」

「計3000万ゴールド支払いますか?」

「…一人だ、俺だけ1000万ゴールド」

「くそだな」

「では2人は鉱山奴隷でいいですね」

「私たちはあなたの指示に従って!」

「よくやってくれたよ。じゃあな」

 フリージングを解いたら1000万ゴールドを置いて帰りやがった。

「こいつら二人の処遇は俺が決めてもいいですか?」

「はぁ。もちろんいいですけど」

「二度と俺たちの前に姿を見せるなよ」

「い、いいのか?」

「いいぞ」

「恩に着る」

 走っていく二人を見てあの奴隷商は死んだなと思った。

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