第23話坂田里香リポート 新音楽部の演奏曲目など

坂田里香です。

新しい音楽部の結成を目指して、音楽室、屋上、いろんな教室で、基礎練習、アンサンブル、時にはジャズ、ボサノバ、ロックなど、新音楽部入部希望者は、練習を重ねています。


そんな日が続き、新しい指揮者「榊原氏」と連絡が取れたようで、瞳君が音楽室に全員を集めました。


「僕とネットでつながっていて、榊原のおっさん・・・じゃなくて」

(ここで笑いを取るのが瞳君)(本当は明るい子だ、可愛いな、笑うとマジに)


「榊原先生がみんなと話したいって」

(言い直しが、タドタドしくて、可愛い)


瞳君が自宅からタブレットを持って来たので、音楽室の大モニターにつなぎました。


瞳君がタブレットをタップすると、榊原先生の顏が大写しに。

「榊原です」(でかい顔、髭面、声もでかい)


「よろしくお願いします!」(これは音楽部全員の声、揃った)


「おお!元気いいなあ」(笑顔も豪快な感じ、前の陰険石川とは違う)

「で、演奏会は秋だよね」


「はい!」(これも、音楽部全員の元気な、揃った声)


「高校生で振って見たい曲を言うよ」(声にパワーを感じる)


「はい!」(音楽部全員の声)(みんな真面目な、注目顏になっている)


「まず、フィガロの結婚を、パワフル、スピード感を持って」

(音楽部は、おお・・・っと笑顔、ハイタッチする人もいる)


「次に同じモーツァルトのピアノコンチェルト26番」

(え?あ?と音楽部はザワザワ・・・名曲だ・・・でも意外だったみたい)


榊原先生は、間髪入れない。

「メインはブラームスの2番シンフォニー」(力強い声だ・・・押しが強い)

(音楽部は、顏を見合わせて・・・うなずき始めた)

(つまり文句なしの選曲だ)


「実は幼なじみ」の瞳君が、榊原先生に質問。

「榊原・・・先生」

(あ・・・おっさんって言いそうになった)(ゴマカシの瞳君だ)


「うん、ソリストだろ?」(榊原先生は、瞳君の質問を察していた)

「ギャラの問題もあって、今は浜野佳子先生に探してもらっている」

「決まるまでは、瞳君に頼むよ」(言い切っているし・・・)


「え?マジです?」

(瞳君は慌て、部員は、あの浜野佳子さん?と、ザワザワしている)


「浜野先生は、瞳君が面白いとも言っていたよ」

「今の段階では、トランペットより上手いとか」


瞳君は、部員に頭を下げました。

「榊原さん、言い出したら聞きません」

「そういう人ですから」(榊原先生、笑っている)

「ペット吹きたいけど」(そこで私を見た・・・私は胸がキュンだ)


翔太先輩が話をまとめました。

「榊原先生の指導に沿いましょう」

「光栄です」


榊原先生は、にっこりとクールサイン。

音楽部も全員笑顔で拍手。

ネットでの会議を終えました。


まず、瞳君に質問が集中しました。

「榊原先生とも浜野佳子先生とも知り合いなの?」


瞳君はボソボソと白状しました。

「榊原先生は親父の同期、浜野先生は子供の頃から指導を受けて」

部員は、またザワザワと瞳君から離れません。(質問攻めになるようです)

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