結論
一瞬言葉を詰まらせる国王。
選択を誤ったか?
しばらく国王の反応を待つ。
すると彼はそこから表情を変えずに言ってくる。
「そう言っていただけると信じておりました」
本当に何を考えているのかまるでわからない。
いや、一国の王たる者、下手に感情を見せて弱点を晒すわけにはいかないのかもしれない。
そんなことがこの俺にできるだろうか?
いや、やることは実家にいたときと変わらない。
相手に手の内を悟らせないようにしながら戦力を更に増強させる。
単体での戦力なら帝国最強のファーストやルナ、更にはドラゴンスレイヤーのフリッツ、賢者メルティ、聖女エミリナ、闇ギルドのレンやトット、自称
これだけ見ると一国の戦力としては十分に思える。
更に俺自身の魔法の力もある。
ただ、これはあくまでも個の力。
むしろほぼこの戦力に頼り切っているところがあるために一人でも欠けると痛手になる。
領地としてはそれでよかったのだけど、国として考えるのならそれではダメだろう。
それなりに兵を集めてみんなが十分に戦えるようにしないといけない。
いっそのこと魔道具で戦えるように固めるか?
いや、それだと成長を奪ってしまう形にもなるな。
個で鍛えつつ更に魔道具で強化……。
そのためには集めた兵を鍛える教官が必要になる。
本当ならファーストに任せたいところだけどあまり教えることに向いていないのが気になるところだった。
一度みんなを集めて相談すべき事だな。
「それならフロレンツィア様との婚約も……」
「それはティアに聞いてみてから、ということで良いでしょうか?」
「ほう……。それはどういう理由で?」
「本人が望まない婚約はしたくありませんので」
「それなら今聞いてみてもよろしいのでは?」
「いきなりだと中々本音も言えないでしょうからね」
「しかし、私としても早々に結論を持ち帰りたいところですので……」
確かに父親としては娘の結婚が承諾されるのかは気になるのだろう。
「それなら結論が出るまでこの地にいますか? 歓迎しますよ?」
相手が国王と考えると正直扱いが難しく思う。
それでも下手に暴走されて余計な問題を持ち出されそうになるのなら、むしろ前もって手を回しておけるので歓迎するほうがいいだろう。
「そうですね、せっかくですし少しだけ滞在させてもらってもよろしいですか?」
「では、部屋に案内しますのでついてきてください」
こうして俺は自身の館にある来客用の部屋に国王を案内するのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――
【作者からのお願い】
これからも頑張って続けていきますので、よろしければ
「応援したい!」「続きが気になる!」
など、思っていただけましたら、下にある『☆で称える』のところにある『+』ボタンを押して応援していただけると嬉しいです。
目に見える数字というは本当に励みになりますので、ぜひともよろしくお願いします
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます