第43話
言った。言ってしまった。やはりどれだけ自身があったて緊張してしまうものだ。ひなの様子を見ながら返事を待つ。
ひなはいまいち状況が理解できていないようで固まってしまっている。かと思えば一気に顔が真っ赤に染まる。
「へ?!わ、私のことが好き?!」
「うん、だから恋人になって」
「ま、待って…え、えと?」
ひなは今パニックになっているようだ。ここは急かさずひなが落ち着くまでまとう。
ひなは深呼吸をして、自身を落ち着けようと試みている。かわいい。
「と、とりあえず…わかったよ。あやちゃんは私のことが恋愛的な意味で好きなんだね」
「そう、わかってくれてありがとう」
「う、うん」
ひなは自分の中で状況を整理しようとしているみたいだ。私の真剣なひなを愛する気持ちは伝わっているようで安心した。
「え、えっとね…あやちゃんの気持ち、とても嬉しいよ。わ、私もその…あ、あやちゃんのことが好きなの!」
ひなはもじもじとしつつも気持ちを返してくれた。今更ながら録音しておけばよかったと後悔する。
「だ、だからね…あの、あ、あやちゃんの恋人になりたいな」
「うん…ひな、愛してる」
どれほどこの瞬間を待ったことだろう。ひなからの愛の言葉。そしてこの瞬間から始まるひなとの恋人関係。抱きしめたひなの身体は熱く、つられて私自身も熱くなってゆく。このまま溶けてしまいそうなほどの心地よく甘い。
「ふふっ」
「どうしたの?」
「いや…ひなのことずっと好きで、ずっとこうしたいって思ってたから」
ひなの微笑み1つで身体全体が軽くなっていく。ひなは私の恋人である。そう心のなかで繰り返すだけで身体が熱くなっていく。
私の答えを聞いたひなは落ち着きかけていた頬を再び赤く染め、嬉しそうに微笑む。
みづきにはあとで謝っておこう。あとしっかりと誤解を解いて置かなければ。
杏には今度たっぷりとお礼をしよう。こうしてひなと恋人になれたのには杏の協力があったからだ。
今晩は愛しい恋人と2人きりでいたい。
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