第36話
温泉に入った私達は身体の洗いっこ……なんてことはせずに各自で自身の身体を洗い、湯に浸かる。
温かい湯はすっかりからだに染み込み、私たちの身も心も溶かしていく。
「はぁ〜、極楽ですね〜みづきさんや…」
「そうですね〜翡翠さん…」
あれだけうるさかったギャルたちもお湯にほだされ、すっかり静かになった。他の客はまだいないし、純恋さんはサウナに入ると言ってサウナ室に言ったのでこの空間には若いJKのみが入っている。
「あれ〜?ひなちってば意外と着痩せするタイプなんですね〜」
ふとみづきがそんなセクハラまがいのことを言ってきた。しまった、今は裸なんだった。しかもルール的に前を隠すこともできない。
「ひなちって何カップ?」
「え、えっと…」
はい、アウト。完全にセクハラである。
「おい、まな板。ひなになんてこと聞いてんだ」
「まな板?!ひっど!」
「はは…みづきさんもそんくらいにしましょうよ…」
「ダメだよ、あんずっち!止めないで!」
杏が間に入ってくれたことによってなんとか剣幕とした雰囲気にならずには済んだ。杏がいないければみづきに掴みかかっていたかもしれない。
「みづきちゃんも懲りないよね〜。ところで実際はどのくらいなんですかね?」
「あはは…えっと、Cよりは…大きいですかね…」
「でしょうね〜…へぶっ!」
当然のように聞いている翡翠さんを思い切り沈めてやろうかと思っていると紫苑が先に動いてくれた。
頭に華麗なるチョップをかまし、ひなと翡翠さんの距離を離した。ナイス
杏がみづきをガードし、紫苑が翡翠さんを説教……そして皆が一糸まとわぬ姿。
この場は混沌とかしていた。苦笑いを貫くひな、常に周囲を警戒している私、そして………
「あのぉ…どういう状況なんですか?」
状況を飲み込めていない純恋さんに苦笑いしか返すことができなかった。
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