第30話

 今日は7月最終日。ひなのおかげで私たちは課題の大半を終わらせることができた。

 というわけで今日は勉強ではなく、お買い物だ。前に話していたの水着を買いにだ。


 今日も今日とて、大型ショッピングモールに来ている。流石夏休みということもあって人が多かったが、水着売り場も大々的に宣伝されており、すぐに売り場にたどり着くことができた。


 水着売り場には私が仕事で来たようなものからなかなかに攻めた水着もあった。その中からワンピース型の水着売り場へと向かっていく。


「わぁひな、これ着てみて欲しいな」

「だ、ダメだよそんなの!面積が小さすぎるよ…」


 本来ならもっと攻めた格好のひなも見てみたいものだが、人には見せたくない。なのでこういうのはちゃんと付き合って2人きりの場所で着させよう。

 しっかりと心の『ひなと恋人になったらやりたいことリスト』にメモをしておいた。


「あっ、あやちゃん、これあやちゃんに似合いそう!」

「ん、そう?こういうのはひなの方が似合いそうだけど」


 ふと、ひなが手に取って見せてきたのはフリフリで可愛らしいデザインの水着だった。

 上下で分かれてはいるが、フリフリが大きく薄めのレースとあいまっておへそはほとんど見えないデザインだった。

 色の種類も多く、これなら色違いのお揃いコーデができる。


 2人でこの色が似合うだの言いながら、最終的に私は黒、ひなは水色の水着を買うことになった。

 ひなは海辺に現れた天使如く目立ってしまうぐらい可愛いので、隠すためのパーカーも買っておいた。


 その他日焼け止めや、サンダルなど海で必要になりそうなものを購入し、喫茶店で作戦会議をすることにした。


「必要なものはだいたい買ったね」

「うん。あとひなさえよければ他の人も誘おうと思ってるんだよね。モデルの先輩の人と西口姉妹、あとはみづきも誘ってやるか…」

「うん、いいね!じゃあ…私は杏ちゃん誘おうかな」


 杏ちゃん、もとい川西杏かわにしあんずはひなの友達の1人だ。物静かな子ではあるが演劇部に所属しており、演技中や演劇に関わると人が変わったように早口になる。

 彼女は百合好き、いわゆる姫女子だ。私がひなLOVEなことを察し、応援してくれている。たまにLIMEで情報も渡してくれるいい子だ。


 今回の海でもたっぷり協力してもらおう。

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