第28話

 今日はひなと1日お勉強会だ。えっちなお勉強会ではなく、真面目なお勉強会。


 ひなはすでに数ページ終わらせているようで私よりも進みが早い。ちなみに期末考査の結果は私がクラス内5位、ひなが2位だった。

 ときに教え、ときに聞き合いながら課題を進めていく。お昼の時間になる頃には1教科の課題が半分ほど終わっていた。


「…よし!あやちゃん、お昼にしよっか。私、なにか作るよ」

「ほんと?じゃあ、オムライスがいいな。私も手伝うし」


 ひなの手料理なんて冷凍保存して、家宝にしたいものだが素直にいただこう。


 出来上がったオムライスはとてつもなく美味しそうで、卵はふわとろだし、なんだか輝いて見えた。


「いただきます」


 念入りに写真を撮ってからひとくちスプーンで掬って食べる。一瞬意識が飛んでしまうほど美味しい。口の中でとろける上に、卵の甘さがダイレクトに伝わって美味しいの一言に尽きる。


「おいしい…おいしいよ、ひな。これはお店、開けるよ」

「ふふ、ありがとう。あやちゃんに喜んでもらえて嬉しいよ」


 胸を張ってドヤ顔を披露するひなにうっとりとした気分で食べ進めた。


 食べ終わり、食器洗いをしようとするひなを咎め、私が洗い物を行う。

 シンク越しにひなをチラチラと見ていると目が合った。


「どうしたの?あやちゃん」

「んーん、新婚さん気分だなと思って」

「ふふ、あやちゃんと家族になれる人は幸せだろうなぁ」

「……うん」


 私が一緒になりたいのはひなだけだよ。なんでこと言いかけたが、それはもうほとんど告白になってしまうので言葉を飲む。


 洗い物を終え、ひなに軽くもたれかかりながら、ため息をついた。


「どうしたの?お疲れ?」

「んーん、ひなが可愛すぎてため息が出ちゃったの」

「も、もう、あやちゃんったら…上手いんだから…」


 いつかもっと思い切りイチャイチャしたいなぁ…。

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