第27話

 今日から遂に夏休み。それだというのに早速モデルの仕事が入っている。


 今日は何度か顔を見たことのある先輩モデルの翡翠さんとのお仕事だ。

 翡翠さんは可愛らしい顔立ちでキャピキャピとした若々しい明るさのある人だ。年は私と同い年だが私とは真反対な人だ。


「あやしろぉ〜、今日はよろしくな〜!」

「あっはい」

「もぉ〜同い年なんだし、タメでいいって〜」


 少しノリがウザいが、いい人ではある。


 今日は水着の撮影のようで、誘われた時は嫌だなと思ったんだが、どうやら私は露出の少ない衣装のようで安心した。

 対する翡翠さんはバリバリヘソ出ししているようだ。


 私はワンピース型の黒い水着なのだが、見た目はほとんどオフショルのミニスカワンピみたいな感じで最近の水着はこんなのもあるのかと感心した。

 ひなは水泳が得意ではないので私も特別泳ぎたいという欲はなかった。しかしもちろんのことひなの水着を見たいのだがどう誘うかが問題点だった。

 お泊まりの時に見たあのお腹は素晴らしい美を秘めているがそこは私が独占したい所だ。となるとやはりワンピース型の水着だろう。色は可愛らしいピンク、いや、水色も似合うだろう。


「あの〜?あやしろさ〜ん?」

「ちょっと今取り込み中なんで黙っててください」

「もーそろ撮影って分かってる?」


 いい感じに妄想が広がった所で邪魔が入ってしまった。


「なに考えてんのさ」

「幼馴染をどう海に誘うかで悩んでました」

「おっ?恋愛事かい?いいね〜!もう今日撮った写真で『海、行きたいな』で完コロでしょ!」

「…なるほど、ありがとうございます」

「…え?まじでやんの?」


 純恋さんにあとで写真を貰えるように頼んでおこう。たまには色仕掛けでもしてみよう。いい機会だし、みづきや紫苑も誘ってみよう。


 もし色仕掛けでもダメなら強制的に連れて行こうか。


「あっどうせならうちも誘ってよ〜。うちもたまには海行きたいし〜」

「わかりました」


 ていうかひなに見せるならもっと際どいものでも良いかもしれない。これはあとで純恋さんと要相談だ。

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