第26話
今日はいよいよ期末考査の最終日。事前にひなと勉強したところが多く、楽勝だった。
ひなも手応えがあるようで特に考査のことを気にしている様子はなかった。
「ねーひなちぃ…考査まぢヤバかったんだけどー!絶対補習じゃんね!」
「ま、まぁみづきちゃん、今日でもう考査も終わりだしね?課題考査は頑張ろ?」
「うわー!まぢひなち天使!」
本当みづきさえいなければこのままひなと放課後デートに行けたのに。
というわけで今、私たち3人はショッピングモールに来ている。今日はここのお店でパフェを食べる予定だ。
みづきは超がつくほどの甘党だ。かくいう私も甘党ではあるがみづき程ではない。ちなみにひなは甘いものも好きだが辛党だ。
「ひなちとあやって全然タイプ違うのにめっちゃ仲良いよね〜。なんでなん?」
みづきはいつも突拍子なく質問してくる。ここは見せつけてやろうとひなが口を開く前に答える。
「私がひなに一目惚れしたからだよ」
「ひ、ひとっ?!」
「うわぁ〜…見せつけかよ〜」
みづきはうざがるようにしつつ、私のチョコレートパフェを一口食べる。
「あっ、勝手に食べないでよ」
「いーじゃん、そんぐらい。てかひなちも大変だよねー、こんな激重莫大感情持ったやべー奴に気に入られてて」
「は、ははは…まぁ、好かれてることはとても嬉しいよ?たまに恥ずかしくなっちゃうけどね?」
激重莫大感情って…言い過ぎでしょ。
確かに私はひなのことを恋愛感情というか、結婚相手として見てる。まだ付き合ってないのに結婚式とか新婚旅行のことを考えているのは、少し重いのかもしれない。しかし、それほどまでに真剣にひなのことが好きということなんだ。ひなだっていつも満更ではなさそうだ。今だって困った感じで言っているが、ひなが嫌がっているかどうかはひなのことを熟知している私が分からない筈がない。恥ずかしくなる、というのもまだ恋愛関係ではないからだ。ひなの好きな小説の傾向から、甘々でラブラブな恋愛が好きだということは理解している。恋愛関係になってしまえば、ひなも自分からくっついてきてくれるだろう。
「…あや?あーや!…ダメだこりゃ、完全にあっちの世界に行っちゃってるよー」
「あ、あはは…あやちゃんってスイッチ入ると戻りづらいからね…」
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