第25話

 次第に夏が近づき、すっかり暑い季節になってしまった。


 モデルの仕事もいたって順調。たまにいるアイラという女は相変わらず苦手だが、数名の先輩モデルさんと知り合うことができた。

 お小遣いも使わないからたんまりだし、服もたまに貰うことがある。


 それだけではない。ひなとの仲もとても順調だ。


 あれからスキンシップを意識してとるようにしている。

 よく手を繋ぎ、2人きりの時は常にくっついている。遊びに行くことはモデルの仕事により減ってしまったが、心の距離は大分縮まっているだろう。


 もうすぐ夏休み。ここが正念場と言えるだろう。


 夏は海、キャンプ、夏祭りとなんでも揃っている。この夏休みでひなを完全に堕としてしまおう。


 手始めにお泊まりなんてどうだろう?ひなも私も課題は7月中に終わらせてしまう派だ。

 お泊まりで課題を進めようという絶対に乗ってくれるはずだ。


 そして海。ひなは普段露出が少ない。合法的に水着姿を見ることができる最高のイベントだ。


 ただ、ひなと遊び、惚れさせることだけが目的ではない。


 ひなを嫉妬させる。それが第2の目標である。


 ひなを嫉妬させるためには他の人と関わっていく必要がある。

 パッと思いつく他の人、とは西口姉妹とみづき、モデル仲間、ひなの友達くらいだ。


 決して友達が少ない訳ではないが、堂々と餌として使えるのはここら辺だろう。


 しかしひなのことだから親友の私がいろんな人と関わってくれて嬉しいとかママ味溢れることを考えるだろう。

 そのためにも親友という枠組みを外れ、そういう目で見ていてもらう必要があるのだ。


 というわけで、この夏休み、ひなに告白しようと思う。


 ひなをこの夏で私の恋人にするのだ。

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