第24話
ひなにたっぷりと癒やされ、月曜日が来てもまだまだ高揚した気持ちが抜けずにいた。
「あぁ…ひな、かわいかったな」
「も、もう!あやちゃん、もう切り替えてよ…」
やたら肌艶の良い私に対し、呆れ半分照れ半分のひなはため息をついていた。
「よーっす!あやち、ひなち!」
「あっ!おはよう、みづきちゃん」
ひなとの甘い2人きりの時間を邪魔したのは、私の幼馴染でひなとも仲の良い
「なんだ、みづきか…」
「なんだとはなんだよ!相変わらずクールだなぁ、おまえは」
みづきは気さくでいいヤツなんだが、見た目が完全にギャルだ。髪を金髪に染め、派手なピアスに短いスカート。どこもかしもが校則違反だ。
男混じりの喋り方や気さくな性格、よく似合っているウルフカットに女子にしては高めの身長が一部の女子からは人気がある。
「いやぁ、ひなちは今日もかわいいですねぇ、こいつと違って」
「おい、ひなに抱きつくな」
だがこいつは要注意人物の1人。パーソナルスペースがとても狭いのだ。
ひなもみづきのことをかっこいい人とか言ってたし、できるだけひなには近づけたくない人物だ。
「ひなち〜、今度2人でお出かけしようよ〜。あたしひなちが好きそうないい雰囲気の喫茶店見つけたんだよね〜」
「わっ!ほんとだ〜!行ってみたいね〜」
ひなとみづきは案外、趣味が合う。たまにふたりで遊びに行っているようでみづきからも自慢のLIMEが来る。
2人で盛り上がっているひなの手をそっと絡め取る。俗に言う恋人つなぎだ。
「わっ!びっくりした!…どうしたの?」
「…なんでもないよ」
心配そうにこちらを見るひなに少し罪悪感を感じながらも、そっと握り返してくれるひなにきゅんとする。
「おやおや〜あやさん、嫉妬ですか〜。束縛が強い人は嫌われますよ〜」
「…うるさい」
にやにやと見透かしたように語りかけてくるみづきをにらみつける。
するとみづきも対抗するようにひなの手を握る。
「ちょ、ちょっと…ふたりとも?」
「あやさんがそんななら〜…対抗するしかないっしょ!」
「……」
こちらをからかってくる悪友を睨みながら、ひなとみづきをこれ以上仲良くさせないために何ができるかを考え続けるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます