第6章 13話 叶わぬ願い③
「あの、優夜先輩は慰労会を兼ねたホームパーティーのことはなにかいってましたか?」
「ああ、聞いていますよ。今日の夕刻に来て欲しいと」
「来てもらえますか? 王妃さま」
ゆん菜はわらいかけるが、彼女の反応はなかった。
「ねえ、マリーユナ」
リアナディーテは庭の木を見上げる。
「侵入した召喚者を逃がしたのはあなたね。国王から聞きました」
国王と聞いて、心臓が縮みあがる。
こ、こ、国王が知ってる?!
なぜ、全部知っているんだろう。王はあの場にいなかったのに。
「国王は目立たないように音楽会に行っていたのですよ」
「ごめんなさい、王妃さま。彼は友人だったからほおっておけなかったんです」
「いいんですよ。せっかくのサーヴィア祭りですから。忌み事は持ち込みたくありません。あれは霊力の色を変えた街人のいたずらということにしておきました」
ゆん菜はじっとリアナディーテを見つめた。
……もしかして、かばってくれた?
だが、リアナディーテの表情は曇っている。そういうわけでもなさそうだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます