第6章 5話 王族たちの音楽会②
ゆん菜は、優夜やカナルとひと気のないところには行かないと約束したことを思い出した。
ゆん菜が一人になると、ナイフ使いが来るかもしれないからだ。
今日はカナルはゆん菜の護衛についていない。
ゆん菜は聖女殿にいる予定だったからだ。
ナイフ使いが来るのは、周りに人がいないとき。優夜やカナルがそう気づいてくれた。
よく思い出すとそうだった。
二回とも、ハルヴィンがいなくなって、一人になったときだった。
ゆん菜は来た道をもどる。小道沿いの出店が見えてきた。
わくわくしてきた。
……優夜先輩に、なにかプレゼントを買おうっ。
エスミナとシャルアにもお礼を贈りたい。カナルさんにもお礼がしたい。
ゆん菜はアクセサリーの店を覗いた。
値段から見て、宝石ではなく天然石のようだった。
造りもシンプルだ。石はカットはされていなく、丸いままの形が多い。
それでも、とてもきれいに見えた。異世界の物は
華美でなくても惹かれるのだ。
職人の優しさや人徳も感じる。
ゆん菜は店の隅から隅までじっくり眺めた。どれを選ばうか本気で迷った。
優夜とカナルには月色の石。エスミナたちには、おそろいのペンダントがいいと思うけど……。
あれと、ゆん菜は振り返る。
背後のほうが、急に騒がしくなったからだ。
見ると、舞台の前に人が集まり始めていた。
集まってくるのは、華やかな印象の人が多い気がした。貴族だろうか。
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