第4章 40話 ずっと待っていた④

「今はどうしているの? 暮らしは落ち着いたの?」


 応接室で、優夜は四人の前にお茶を置く。


「はい、内密にラハスさまの後ろ盾を得られまして」


「ラハスって、ルーサァーンの父上のラハス子爵?」


「はい、子爵さまが国境の邸宅を買い取ってくれまして。なにかあったときには、隣国の子爵さまの友人がかくまってくれることになってます」


「表向きには勘当ですが」


「ムーナサリアと隣国を行ったり来たりなんですわ」


 エレミアが冗談めかしてわらう。


「苦労をかけるね」


 優夜はうつむく。ミシュアーナさまにわらってほしくていったんですよと、エレミアは微笑んだ。


「そうですよ。私なんかは、生物の研究をしたい放題だし」


「たまに隣国に旅行にも行くんです、長い休暇気分ですよ」


「そう、休暇です。いつか、またミシュアーナさまにお仕えできると信じていますから」


「ああ、マリーユナさまには事情が分かりませんよね」


 エレミアがゆん菜を振り返った。

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