第4章 38話 ずっと待っていた②

 木陰から出てきたのは、少し年上に見える青年と、優夜と同じくらいの齢の少年だ。


 青年はプラチナブロンド、少年はシルバーアッシュの髪だ。


 二人は黙って優夜に頭を下げた。少年のほうは、今にも泣き出しそうにしていた。


「はじめまして、マリーユナさま」


 しばらく優夜と話した後、四人はゆん菜に目を向ける。


「私はミシュアーナさまの側近で、ミシュアーナさま付き近衛だったオルージェです」


「私は神官のフィナモ」


「私は生物学者のルーサァーンです」


 黒い瞳の強そうな人が近衛隊長、プラチナブロンドの優しそうな人が神官、シルバーアッシュの髪の知的な印象の人が学者だ。


 みな、華やかな印象だった。


 立ち居振る舞いが、普通の人と違う。きっと、みな貴族なのだろう。


 優夜も含め、まぶしいタイプの人間が五人だ。なんとなく圧倒される。


 部屋まで輝いて見え、王城にいる気分になってきた。


 まぶしさと畏れで目まいがした。壁に頭をぶつけそうになった。


「マリーユナさま?」


「あっ、なんでもない。だいじょうぶです」


 近衛のオルージェが、ゆん菜の前に歩み出た。

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